「男性は60代。彼と奥さんの関係は冷え切っていました。そんなときに、仕事先で出会った女性に恋をし、ストーカーになってしまいました」

 あるストーカーのケースを明かすのは『ストーカーリカバリーサポート』の守屋秀勝代表(55)。加害者たちが更生するための支援を続ける。

 冒頭の男性は相手の女性を運命の恋の相手だとでも思ったのだろうか……。

「警察によると加害者の比率は男性が81・2%。女性が12・1%。つまり男性がストーカー化するケースが圧倒的に多い」(前出の守屋さん)

 年齢は20代が34・5%で最多。ついで30代、40代と続くが、中には50代以上の「ストーカーおじさん」の姿も。分別があるはずの大人たちがストーカーに走っている。

 叶わぬ恋に燃え、純愛のように錯覚。相手の気持ちを無視したイビツな形でアプローチを続ける──。

暴力と恐怖で支配、加害者に怯える女性

 会社員の東美奈子さん(仮名・40代)は交際もしていない男性のA(46)からストーカー被害を受けている。

 出会いはインターネットの趣味の掲示板だった。

「オフ会で出会い、メールアドレスを交換しました。数か月に数回ほどメールや電話で趣味の話をするくらいでした」

 社交的で明るく、友達も多い美奈子さん。同じ趣味の友人としてAとも2人で会うようになった。すると彼は好意を寄せるようになり、「好きになった」と告白してきた。

「彼氏もいたし、“無理だ”と何度も断っていました」

 些細な口論がきっかけでAの好意は暴力を伴うものに変わる。まず24時間鳴りやまない電話攻撃が始まった。

美奈子さんのもとにAから送られてきたLINE画面(一部加工)。しつこく着信が繰り返されていたことも。深夜でもおかまいなし

「私の職場にもひっきりなしに電話をかけてくるんです」

 煩わしくて無視すると、今度は美奈子さんの実家や友人らの電話番号まで調べて何度も電話をかけた。さらには「彼氏と別れろ」「殺すぞ」などと脅してきた。

 次に美奈子さんの行動が監視されるようになる。行く先々で「今、どこ?」と連絡がきて、行き先を教えるよう迫ってきたという。

「Aは近所のスーパーなど片っ端から電話して、私が立ち寄っていないかを調べていました……」

 さらには「さっき〇〇にいただろ」などと居場所までも特定されるようになる。