「これから死ぬ」と自殺未遂をしたことも

 気味悪く思っていた美奈子さんだったが、自宅にスマホを忘れたときに「今、家にいるだろ」と連絡が入っていたことからスマホに細工がされていたことに気づいた。

「Aは私のスマホに勝手にGPSアプリを入れ、私の居場所がわかるように設定していました」

 美奈子さんは何度も縁を断ち切ろうとした。するとAは時間かまわず美奈子さんの自宅や職場、友人のもとにまで押しかけた。「これから死ぬ」とメールを送り、自殺未遂をしたことも。心配して会ってしまうと殴る蹴るなどの暴力、刃物をチラつかせたり、タバコの火を押しつけられた。

美奈子さんがAに殴られたアザ。これを見せてもなお警察は動こうとしなかった
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 何をされるかわからない、周囲にも危険が及ぶのではないかとパニック状態になり、眠れない日が続いた。

「警察に何度被害を訴えてもAは“付き合ってます。ケンカしただけです。迷惑かけてすみません”と謝罪して、警察もそれを信じてしまいました。Aとは交際なんてしていません! いくら言ってもダメだった……。そんなストレスで食事も満足にとれず10kg近くやせました」

 警察は「すぐ逃げなさい」とはいうものの「被害届は受け取るけどすぐには捜査できない」との一点張り。

「私が殺されない限り、この恐怖は永遠に終わらないと思いました……」

 絶望の淵にいた美奈子さんに光が見えたのは、重い腰を上げた警察がようやくAに“接近禁止”を命じたことだ。

「私に接近すればAは逮捕されます。それを恐れて手を出してこなくなったので、そのすきに逃げました」

 現在、地元から離れた地で穏やかな生活を送っている。

「いまでも、Aと似たような背格好の人を見ると、あいつが連れ戻しに来たのでは、と身体がこわばります。できるなら……死んでほしい」

 美奈子さんは傷害などの疑いでAを告訴したが、警察による捜査は始まっていない。

 美奈子さんによると、Aは妻子と離別し友達もいない天涯孤独の身。彼女の親切心を恋心と勘違いし人生をめちゃめちゃにした身勝手さ。とうてい許されるものではない。