“黒い部分”が魅力に……

 '17年の不倫騒動では、決まっていた大河ドラマ『西郷どん』の出演を降板するという事態にもなった。前回、前々回とは時代が違うから、としながらも、これで少しは学んだのではないだろうか。

“2度あることは3度あった”2017年の不倫会見時の斉藤由貴
“2度あることは3度あった”2017年の不倫会見時の斉藤由貴
【写真】2度あることは3度ある。不倫記者会見での斉藤由貴(2017年と1993年)

「降板は痛手ですよね。言葉が悪いかもしれないけれど、“たかが”不倫で仕事を奪われる時代になっちゃったから。彼女もちょっと考えたと思いますよ。

 でもスキャンダルが一切ない、吉永小百合とか沢口靖子とかに私は興味が湧かないんです。人間として真っ白な人より、少し黒い部分があったほうがおもしろいじゃない

 35周年ということで、歌手として自身の曲をリアレンジ。セルフカバーアルバムをリリース。

歌手を自称するのもおこがましいほど、私には歌の技量がない

 と、歌手としての自分を自嘲する斉藤。では、女優としての彼女にドラマウォッチャーとして望むことを吉田さんはこう語る。

ドラマには絶対に必要な人だと思っています。かわいらしさを残しながら、図々しさもある、主役という王道ではない部分を、ちゃんと担える人です。 

 竹内結子さんの遺作となった『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(フジテレビ系)で、ふんわりとしながらも、突拍子もない過去の栄華を語る事務員を演じていましたが、これは斉藤由貴以外できない役でした。こういう役、もっと見たいですね」

 あと、どうしても演じてほしいキャラがあるという。

今後は色ボケしたおばあさんとか(笑)。3回の不祥事を乗り越えてきたんだから、ご本人が芸能界をやめると言わない限り女優を続けてくれると思います。作品を先頭に立ってリードしていく女優ではなく、気がつくとはびこっている、みたいな存在で楽しませてほしいですね」

PROFILE●吉田 潮(よしだ・うしお)●コラムニスト、イラストレーター、テレビ評論家として『週刊新潮』で『TVふうーん録』を連載中。『幸せな離婚』(生活文化出版)『親の介護をしないとダメですか?』(KKベストセラーズ)など著書多数