なぜギタリストを選んだのか

 それにしても、弘中アナがイケイケで派手なイケメンギタリストToruと交際する図が頭の中でなかなか結びつかないのは私だけか。

 弘中アナが音楽について語ることといえば、「ももクロ・ハロプロ・Kポップ」といった女性アイドルの話ばかりだし、『ワンオク』がMステに出演したこともないので接点も不明。彼女の恋愛相手としてイメージしやすいのはどちらかというと、“歳の近いエリートサラリーマン”だったり、芸能人ならそれこそ若林のような“知的枠タレント”あたりのような気がするのだが。

 結局、エッセイにそのヒントが隠されているということもなかった。しかし、そんな謎多き彼女が連載中に、別の雑誌で恋愛観について語っているインタビューを発見!

《私、漫画家の矢沢あいさんが大好きで、中学生の時に『NANA』を読んで、恋愛の何もかもを学んだんですね。ハタチになるとこんなことが待っているのか、うぉー! と思っていたのに、実際に20代になっても全然『NANA』じゃない。何一つかすってないんですけど…(笑)》(『anan』2020年4月)

『NANA』は発行部数は5000万部をこえる超ヒット作
【写真】イカつい表情を浮かべるToru、学生時代の弘中アナほか

 いや、かするどころかモロだろう。『NANA』は上京のタイミングで偶然の出会い、共同生活をすることになったふたりの「ナナ」をヒロインに据え、ナナが在籍する『BLACK STONES』と、元彼のレンがギターを担当する『TRAPNEST』の2つのバンドを軸に恋愛模様などが描かれて……といったストーリーなのだが、まさにヒロインが純愛を繰り広げる相手がギタリストなのだ。

……まさか、NANAに影響を受けてバンドマンに弱いというわけではあるまいな? コミックではナナとレンが週刊誌に撮られるというエピソードも出てくるのだが、若林につっこまれた時のあの嬉しそうな表情も、今思えば意味深だ。

 そして、2021年1月。Toruは新たに大政絢と「結婚を視野に入れて交際している」(『スポニチ』)ことが報じられた。

大政絢

 並べられたふたりのビジュアルから漂うは、圧倒的“NANA感”。記事によると交際が始まったのは前年の春だという。弘中アナがインタビューを受けていたのも同時期なだけに、「何一つかすってないんですけど(笑)」に込められた心情を勝手に解釈してしまう。タバコに火をつけたToruにおもむろに「ごめん、他に好きな女できたわ」と告げられた夜があったのか、とか。さすがに妄想がすぎるな。

──インタビューでは語るのに、“自分のことを知ってほしい”と標榜するエッセイに恋バナをあえて書かなかったのはなぜか。30歳を記念して出版する同書に、少女マンガへの憧れのまま止まっている恋愛観を登場させるわけにはいかないとのプライドか。でも、そこにこそ、あざとい毒舌キャラのなかにもどこか純真が見え隠れする弘中アナの本領がありそうだ。透明感が薄れないワケ。好きなアナウンサー1位は伊達じゃない。

〈皿乃まる美・コラムニスト〉