「ノーマネーで、フィニッシュです!」吉田栄作のコールが響く。私たちに強烈なインパクトを残した伝説の番組『¥マネーの虎』。あの“虎”たちが『週刊女性』に集結!虎は死して皮を留め、人は死して名を残す──。

 伝説のバラエティー番組『¥マネーの虎』(日本テレビ系)。出資先を探す成功者たちが出資希望者にダメ出しし、ときには成功者同士でぶつかりあうリアリティーあふれる番組はいまだ語り草。放送終了から約17年たっても強烈な印象を残すあの“虎”たちは今?

 ラーメン店「なんでんかんでん」の名物社長の川原ひろし(57)と「飲食の虎」安田久(58)、そして「冷徹な虎」として恐れられた南原竜樹(60)、彼ら3人の虎に番組の当時の思い出や近況、そのほかの“虎”たちの現在について語ってもらった──。

“虎”になったそれぞれの経緯

──番組初期から虎として名を連ねていた川原に、少し後から“虎”化した南原、安田。それぞれが虎になったきっかけは、驚くほどフランクなものだった。

川原 僕には「新しい番組の件で」って電話がかかってきたんだよね。まだ企画が通ってないけど、お金持ちがお金を出す番組をやりますって。

安田 俺のとこにもディレクターが2人来たんだけど、なんか2つしか質問されなかったんだよね。「お金出すテレビ番組なんだけど、1000万円出せますか」と「車は何乗ってますか」って、2つ。ベンツの車種まで言ったら「後日連絡します」って。

南原 僕が最後に参加したことになりますね。『¥マネーの虎』を見たことはなかったんですが、テリー伊藤さんと知り合いだったので、もともとテレビには出てて、あるとき呼ばれたら“虎”だった。行ったら変なラーメン屋の店主はいるわ、変な飲食店の社長はいるわさ、なんじゃこいつらって感じでしたね。

安田 なんだよそれ。こっちからしたら「鉄仮面みたいな人間が来たな」ってね。

川原 「俺そんな金持ってないよ!」って言ったんだけど、軽い気持ちで出てくれって言われて。結局最終回まで出ましたね。

南原 収録中、8割しゃべってるんだよ、この人。

安田 だから、ほとんどカットされてたよね。

川原 いや、そうじゃなくて……。

南原安田 そうだよ(笑)。

川原 みんな雰囲気が硬いのよ。僕はムードメーカー。でもプロデューサーにまじめにやれってよく怒られててね。打ち上げパーティーでそれを言ったら、みんな怒られたことなんかないって。俺だけ扱いが雑だったんだよね(笑)。