損害賠償は1500万円になる可能性も

 彼のフェイスブックに登録されている友達の数は121人。友達が多いように思えるが、ほとんどがキャバクラ嬢やモデルなどで友人関係ではないようだ。やりとりがありそうな人に連絡してみたが“勝手に友達申請されて承認しただけ。まったく知らない人”とのことだった。

 人と会う予定がなかったためだろうか──、新型コロナが流行した昨年からずっと“ノーマスク”生活を送っていたという容疑者。新幹線の車内で着用していなかったとしても、不思議ではない。

高永容疑者のフェイスブックには、友達が多そうな趣味が並んでいるが……
【写真】高永容疑者のフェイスブックは「趣味は波乗り・クラブ」などイケイケな雰囲気

 容疑者と暮らしていた両親に事件の詳細を聞こうと、自宅を訪ねてみた。父親がインターホン越しに、

「体調がよくないので、お話しすることはできません」

 と、口を固く閉ざした。だが、父親も黙っていられないお金の問題も出てきそうだ。新幹線の遅延による損害賠償金が発生するのだ。『弁護士法人 天音総合法律事務所』の正木絢生代表弁護士が解説する。

「鉄道事業者は遅延の要因となった当事者に対して損害賠償の請求を行えます。今回もその可能性はあります」

 電車を1時間遅延させると、2000万~3000万円の損害賠償金が発生するといわれているが、

「今回は振替輸送や乗車料金の返却はされていませんが、それでも1000万円から1500万円程度の額になる可能性はあります」(正木弁護士、以下同)

 対象となるのは、あくまで容疑者本人。

「無職で支払い能力がない場合でも、責任能力が認められれば請求されるでしょう。ただし、これは請求をする鉄道事業者側の方針によっても変わりますが」

 JR東海に問い合わせると、

「個人に関わることになりますので、損害賠償請求をするかどうかの回答は控えさせていただきます」

 とのこと。当然の報いとも思えるが、前出の中学校の同級生からはこんな声も。

「車掌さんとうまくコミュニケーションが取れなかったから、こんな大ごとになってしまったのかも……」

 親しい友人がいない人生が招いた悲劇。その代償は高くついてしまった──。