必要なし

 セキュリティが心配。現政権に不信がある。その結果、出す答えは「いらないね」となっているのが現状のようだ。

「そもそもマイナンバーカードの必要性を感じない。落としてしまったらその後の処理が大変だと思う。個人情報などのセキュリティの確固たる保護が必要。今の日本のITリテラシーや能力ではムリだと思いますが……」(53歳・女性)

「必要性を感じてないから作らないだけ。メリットを感じれば言われなくてもみんな作ります。なぜ必要かを国民に告知するのはマイナンバーカードを作った側なのでは?」(54歳・女性)

「マイナンバーカード作りました。でもほとんど使うこともなく手に取ることもなく、存在さえ忘れています。今の私の生活に必要だとは思いません。いつか必要になるまでしまっておきます」(56歳・女性)

義務化しかないのでは

 ここまで警戒心を持たれ、敬遠されているマイナンバーカード。普及させるための最後の一手としてあがった意見は「義務化」だ。

「普及させるには義務化するしかない。イヤだけど」(57歳・男性)

「メリットがいくらあってもダメだと思います。法律で強制的にする以外にないと思います」(54歳・女性)

「メリットよりデメリットが大きいと感じている国民が多いのでは……。マイナンバーカードの完全義務化しかないと思いますが」(50歳・男性)

「いくら機能を追加しても今のままでは100%普及させるの無理だと思う。マイナンバーカードという形ではなく、IDカードとして所持を義務付けするのはどうだろう」(59歳・男性)

未来の社会には必要

 最後に、それでもマイナンバーカードはあったほうがいいという声も紹介しよう。
 
「マスコミのネガティブキャンペーンが減れば普通に増えると思う。あったほうが便利なんだから」(51歳・男性)

「国のPRが不可欠ですよ」(54歳・女性)

「わざわざ作るのは面倒だし、今は必要でもないけど、でも自分もこれから高齢になり、年金や介護などで、あれば便利になると思う。カードの利便性を高齢者に向けてもっとアピールすべき」(59歳・男性)

 ◇

 マイナンバーカード普及に向けたさまざまの声があがった。「必要ないから作らないけれど、メリットがあるなら作ってもいい」という人、「個人情報がもれるから作るのは不安」という人、「積極的に申請して持つつもり」という人、こうした本音の声の中に、普及に向けたヒントが埋まっているはずだ。

 締めくくりに、この声をまとめにしたい。

「現在、国民が願っていることは、コロナの収束と生活の安定なので、ワクチンとの紐づけも良いと思う。マイナンバーカードを作成した国民に、1人あたり30万円の地域振興券を配布し、地元の小売店のみ使用可能とする。瀕死にあえぐ小売店舗の救済にも役立つし、店側の努力次第では新しいお客の獲得にもつながる。そうなれば地元の市町村に税金が入るだろう。菅総理。麻生大臣に申し上げたい」(56歳・男性)

(取材・文/水口陽子)