父が子育てに悪戦苦闘……

 父と子の絆がテーマで思い出される懐かしいドラマといえば『子連れ狼』(日本テレビ系)だろう。剣客・拝一刀が、息子の大五郎を乳母車に乗せ、渡世を続けるというもの。この作品の成り立ちと人気ぶりについて、竹山さんはこう分析する。

「『子連れ狼』が最初に放送された'70年代初頭は、『木枯し紋次郎』や『必殺仕掛人』といった、荒唐無稽な時代劇に人気が集まっていたころ。その流れとして出てきたといえます。

 乳母車に武器が隠されているというのも、昔の映画ではよくあった手法であり目新しいものではないのですが、復讐の鬼と化した男が幼いわが子と旅をするという設定を考えた作者の小池一夫さんはすごいなと、今でも思いますね」

 いっぽう、現代もののドラマについて、竹山さんはこんな見解も述べる。

「'90年代くらいまで、ゴールデン帯のドラマの主な視聴者は、女性のほうが多かったんです。

 それまではただ威張っていたり自由気ままに暮らしていた男性が、困っている、悪戦苦闘している……というシチュエーションは、視聴者にとっておもしろいエピソードとなりえた。

 また、子どもとのふれあいは感動にもつながりやすい。だから支持されやすかったのではないでしょうか」

 そこで思い出されるのが、『池中玄太80キロ』(日本テレビ系)や、『パパはニュースキャスター』(TBS系)などだろう。両作品とも、『北の国から』同様、本放送後に何度もスペシャル版が放映された人気作だ。

「どちらも当初はコメディー要素と感動要素の配分が絶妙だったと思います。主演の西田敏行さんと、田村正和さんの役者としての技量もあるでしょう」(竹山さん)

『いきなり父親になる』系のドラマについて、山崎さんもこう語る。

「そういうシチュエーションは、みんな大好きですよね。あたふたぶりが確かにおもしろい。

 また、まったく家庭を顧みなかった男性が、いきなり自分の子どもと真正面から向き合うことになる……というドラマも多いものです。

 私は『パパと呼ばないで』(日本テレビ系)とか、『マルモのおきて』(フジテレビ系)といった、本当の父子ではないけれど、男性がいきなり子どもを育てなくてはならないという話も大好きですね。

『マルモのおきて』(フジテレビ系)

 男性が価値観を変えていく、成長していく、という内容は、人間はいくつになっても成長できるんだ、という希望も持てますから」(山崎さん)