本当は会いたくないから?

 こんな方もいます。

 結婚相談所では、お見合いが成立すると、2人が会う日時と場所を相談室間で連絡を取り合って、仲人が設定します。間に仲人が入るので、連絡の行き違いや相談所の定休日にぶつかると、なかなかスムーズに日程が決まらないことがあります。

 芳徳さん(35歳、仮名)は、里江さん(31歳、仮名)とお見合いが成立し、お目にかかれる日程を3つくらい出してきました。私がそれを里江さんの相談室に出して、仲人間の調整が始まりました。ところが、なかなかお相手からの返事がなく、10日が経ってしまったのです。

 すると、芳徳さんがこんな連絡をしてきたのです。

「どうしてこんなに待たされるのですか? 僕とのお見合いに乗り気ではないということですか? それならお見合いは成立していますが、お断りしてもらって構いませんよ」

 私は、里江さんの相談室にお電話をしました。すると、慌てた口調で、仲人さんが言いました。

「ごめんなさい。私がスケジュールを送ったつもりでいました。○月×日の14時でお願いします」

 早速その日程を芳徳さんに送り、そのときに「あちらのお仲人さんが、送ったつもりでいて送れていなかったようですよ。お相手の女性が、会いたくなかったから日程が出てこなかったわけではないのよ」と伝えました。

 すると、憤慨したようなLINEがきました。

『仕事なんだから、ちゃんと責任を持ってやっていただきたいです。僕にはほかの予定もあるわけだし、日程が決まらなければ、その予定も立てられないじゃないですか』

 芳徳さんの気持ちもわかります。ただスケジュールが出てこない理由を「いったんお見合いは受けたものの、自分と会うことに乗り気ではないから、日程を出すのを引き延ばしているのではないか」と、ネガティブな方向に考えるのは、いかがなものでしょうか。

 考え方は、人それぞれです。たとえば社内で女性2人がコソコソ立ち話をしているときに、たまたま自分のほうを見たとします。それを、“2人で何か自分の悪口を言っているのではないか”と捉える人がいます。逆に目があったときに、ニッコリと2人に微笑み返せる人もいます。

 なんでもネガティブに考えてしまう人は、婚活がいい方向に進むはずがありません。また、うっかりメールを送り忘れていた相手の仲人さんが詫びているのに、そこにさらに腹を立てるというのは、人としての器が小さいですよね。