脳の働きは大きく8つに分けられる

 先ほどから、運動系や視覚系といった言葉が出ているが、脳は「記憶する」「理解する」など、同じ働きをする複数の神経細胞が集合して 「脳細胞グループ」を作っている。

「私はそのグループを“脳番地”と名づけました」

 代表的な脳番地として、思考系、伝達系、運動系、感情系、理解系、聴覚系、視覚系、記憶系の8つに分けられる。脳番地の働きを知ることは、自分のどの脳番地が弱いかを意識することにつながる。

頻繁に使う脳番地は一生を通じて成長しますが、使わない脳番地は未熟なまま。それを放置していると、加齢とともに衰えていきます。脳内に枯れた脳番地を作らないためにも、バランスよく使うのが理想的です

 人間は、不得手なことは避けて、脳を使おうとしない傾向があるが、不得手なことほど積極的にやってほしいと加藤先生。

「聴覚系が衰えている人は音楽を聴かないし、視覚系が衰えていると美術館は避けがち。今まで避けていた行動を見つけ、マンネリ化から一歩抜け出せるような行動をしてほしいですね

 その際のポイントは、「今はこの脳番地を使っているな」と意識をすること。それにより、より効果的に脳が活性化される。例えば料理をしているなら、思考系や運動系が刺激されているな……という感じだ。

 次は、日常でできる脳によい習慣をピックアップ。刺激を受けるほど脳は元気になり、脳さえ元気ならば後半の人生もぐっと充実すること請け合いだ。

8つの脳番地とそれぞれの主な働き

 

8つの脳番地とそれぞれの主な働き イラスト/吉田静佳
【写真】脳を育てる「新聞紙お手玉運動」をイラストで紹介!

●思考系
思考や意欲、想像力などを司る。人が何かを考えるときに関係する脳番地。
●伝達系
コミュニケーションを通じて、意思疎通をする。言葉を使う言語系と、図形や映像で伝える非言語系がある。
●運動系
身体を動かすことと関係する脳番地。脳の中でもっとも早く成長する。
​●感情系
喜怒哀楽を感じ、表現することに関係。生涯にわたって成長し、衰えにくい特徴が。
​●理解系
目や耳を通じて得た情報を理解する際に使う。推測して理解するときにも使われる。
●聴覚系
耳で聞いた言葉や音を脳に集積させるために働く。
​●視覚系
目で見た映像や画像、読んだ文章を脳に集積させる働きがある。​​
●記憶系
ものを覚えたり、思い出したりするときに使う。