子どもの「個」を無視していませんか?

 身につけられることは多ければ多いほどいい、現代は変化が激しいから、どんどん新しいことを学ばせないといけないのではないか、と考えてしまうのも親心。情報があふれる現代、どんな能力をつければいいのですか?

「子どもの性格や考え方、キャラによって、必要となるものは違ってきます。例えば内向的なオタク気質の子が、無理をして外交的な能力を身につける必要はありません。その子が何かひとつに集中できる力を引き出してあげること、それが特性を伸ばすことにつながるんです」

子どもそれぞれに性格や考え方、キャラクターがあることを忘れてはいけない(写真はイメージです)
子どもそれぞれに性格や考え方、キャラクターがあることを忘れてはいけない(写真はイメージです)
【写真】早期英才教育を受け、才能を開花させた本田姉妹

 さらにおおたさんは「情報量は今後どんどん増えていくものなので、それを全部1人で身につけようというのは無理な話」と続ける。

「昔はいろんなことを1人の人にインストールして、何にでも対応できる、個としての完成度をいかに高めるかを目的とした教育でした。

 しかし今はネットワークの時代。その中でどう自らの居場所を見つけるか、というのが大事になります。そのためには何かひとつ得意なことがあると、どんなネットワークへも入っていきやすいんですね。

 これからは自分に足りないことを1人でどうするのかではなく、ほかの能力の高い人と足りない部分を補い合いながら働けること、つまり『この人と一緒に働きたい』と思われる人になることが大事になります

 しかしスキルを身につけるという明確な「目的」があると、達成することばかりを見て、目の前の子どもが見えなくなってしまう。

 そして、正しい教育法だと思っている枠の中へ子どもを押し込むことになりかねないので注意が必要だそう。教室へ行くのを嫌がる子どもを「どうしてできないの!」と追い詰めると、子育てがおかしくなる原因になりかねない。