介護保険&年金の範囲内でサービスを利用

「医療と同様に、介護にも公的な介護保険制度があり、介護費用の自己負担が抑えられるしくみになっています。“親の年金と介護保険の範囲内で介護をする”と決めておけばなんとかなりますよ」

 頼りになる介護保険。わが家も利用したい……と思ったら、まず、親の住まいの地域にある「地域包括支援センター」に相談して。ここは高齢者の介護や健康に関するあらゆる相談に乗ってくれる公的機関だ。介護保険を利用するには、ここで「要介護認定」に申し込むことが第一歩に!

 そして要介護認定を受けると、介護の必要度に応じて要支援1、2、要介護1~5と7段階で判定される。ちなみに、「非該当」とされると介護保険は利用できないけど、介護保険外の自治体独自の支援が受けられることもあるので、あきらめないで相談して。

 介護サービスの自己負担割合は収入により1~3割。そして、要介護度が高いほど上限額が高い=介護保険適用サービスをたくさん利用できる。

「自己負担割合、上限額、親が出せるお金をにらみながら、どんなサービスを利用できるか、ケアマネジャーという専門職の人に相談して、ケアプラン(介護サービスの利用計画)を立ててもらうのです」

 下表のとおり、要介護度が進んでも、低い自己負担額で想像以上にさまざまな介護サービスが利用できることがわかる。

「もちろん、親のお金がたくさんあるなら、介護保険を利用しながら、プラスで介護保険範囲外のサービスも全額自己負担してバンバン利用すればいいと思います。でも、そうでないなら、介護保険内に収めるしかない。そこをきっぱり割り切って、親に伝えておくようにしましょう」


介護シミュレーション

施設でも介護保険は利用できる

 施設に入っても、介護保険は利用できる。

「国民年金しかもらっていない場合であっても、特養(特別養護老人ホーム)なら年金の範囲内で利用できる可能性が高い。公的なチェックも入るから、介護の質も一定水準は保っています。ただし、それだけに人気が高く、要介護3以上にならないと申し込めないところがほとんどですね」

 もちろん、お金がたくさんあれば施設を選べる幅も!

有料老人ホーム、サ高住などうんと選択肢が増えます。それだけに、利用料やサービスなど調べるべきことが増えてしまいますが……」

 頼りになる介護保険だけどしくみが複雑で、しょっちゅう制度改正も行われている。子どもとしては最新の情報をしっかり調べて親を支えたい。

■休業制度を利用して離職はなるべく避けて!

「介護のために、子が仕事をやめないで! 一度やめると同じ条件で再就職するのが難しくなるし、介護が長期化すれば自分の老後資金を貯めることも難しくなってしまいます」
 介護のために休みを取れる「介護休業制度」などを利用して。1年以上勤務ならパートでも利用できる。