7歳で初舞台を踏む。

「100回の練習より1回の実践というか。このまま役者をやりたいと強く思いました。次、いつ舞台に出られるのかが最大の関心事で。もし“いい”と思ってもらえたら、また出られるんじゃないかという期待感。オファーをいただく日がいちばん幸せで、千穐楽が寂しい日。そんな感覚がずっとあって(笑)」

 周りの大人から“清元はどうするのか?”と尋ねられたときには戸惑ったという。

「“えっ、役者やってたら清元できないんですか?”と。そういうものだと知ってからは、質問されるたびに返事に困る時期はありました」

 自分が継げなくても、何かしらの形で清元の責任を取れればいい。役者として清元を引っ張っていく存在になれれば。そんな思いが固まっていったという。

「ずっと“ふたつにひとつ”と言われ続けてきたので、自分の発想にはなかったんですが、父が役者をやりながら清元を継ぐことを提案してくれて。師匠の(尾上)菊五郎おじさまは、自分の役者としての向き合い方を認めてくれたうえで、“清元もやっていい”とお許しをくださって。逆に役者としての自信がつきました」

  '18年に“清元栄寿太夫”を襲名。今では“歌舞伎界の新プリンス”と呼ばれ、役柄も年々大きく。

 一方で本作のようなミュージカルだけでなく、大河ドラマ『青天を衝け』では孝明天皇を好演中。10月公開の『燃えよ剣』では映画初出演を果たすなど、活躍のフィールドをどんどん広げている。

「歌舞伎界の新プリンスですか? 困ったものですよね、ありがたい(笑)。今回の『衛生』での役はそのイメージを払拭というか、混乱させることになると思うんですが、それはすごく大事なこと。“プリンスがこんなことやって!”と思われたら、逆にうれしい」

 歌舞伎は娯楽。そして、その歴史にはパンク精神が宿るものだと前置きし、

「だから、人がやらないことや賛否両論あることを堂々とやる。それが、歌舞伎のプリンスなどと言っていただける自分こそ果たすべき本当の役目。きれいごとだけやっているイメージにはなりたくないし、“伝統を背負って歴史の中で生きてる人”にもなりたくないです」

理想の女性は“梨園の妻”とは真逆

尾上右近 撮影/吉岡竜紀

「20歳くらいから、ずーっと結婚願望があります。“タイミングさえ合えば”って言い続けて9年たってますけど(笑)」

 先月29歳に。家庭を持ちたくてしかたがない、と笑う。

「子どもも欲しいし、DNAの循環みたいなものにすごく興味があって。自分をつくってくれた家族がいるということは、自分もまた家族をつくることへつなげたいって、すごく思っていて」

 どんな女性にパートナーになってほしい?

「仕事して、自分の人生をちゃんと歩いている人がいいなと思いますね。自分も刺激を受けないと、尊敬できないだろうし。だから“梨園の妻”とは真逆というか。“奥さん業に徹します”っていうことじゃない気がしますね、自分にとっては」

マツコ・デラックスもお気に入り

「マツコさんに“可愛い”って言ってもらうの、本当に励みになるんですよね。不安になったとき、“大丈夫ですかね?”って聞くと、“あなたは可愛いから大丈夫”って言ってくれて。“ハイ!”ってなります(笑)」

 ミュージカル『衛生〜リズム&バキューム〜』

【期日】東京=7/9〜7/25(TBS赤坂ACTシアター)、大阪=7/30〜8/1(オリックス劇場)、福岡=8/9〜8/11(久留米シティプラザ)

【チケット】S席1万3500円、A席1万円(税込み、全席指定)発売中

【問】キョードー東京 0570-550-799(東京公演)

【詳細】https://musical-eisei.com/