厄が落ちるといわれる145段の石段を上ると……。目の前に広がる、夢のようなあじさいの海!!

 ここは茨城県桜川市にある雨引山楽法寺(雨引観音)。587年に開山され、推古天皇や聖武天皇、嵯峨天皇も安産祈願に訪れたという天皇の勅願寺。安産、子育て、厄除け、延命のご利益があるといわれている。あじさいの季節を迎えると、この由緒正しきお寺に人が殺到している。

「みなさんのお目当ては、“水中華”です」

 とは、広報担当の猪瀬寶洋さん(25)。境内の大きな弁天池には、一面のあじさいが浮かべられる。その数、4000輪以上!!

「6月になりますと、当山では100種類5000株のあじさいが咲きます。あじさいは剪定をしないと翌年、きれいに咲かないんです」

 今まで、剪定した大量のあじさいは捨てていた。猪瀬さんがそれを“もったいない”と言ったところ、住職から“では、何か新しいことを始めてみたらどうでしょう?”と任を受けた。

インフルエンサーの目に留まり、急拡大

「'18年に境内の小さな池に10輪ほどあじさいを浮かべ、楽しんでいたんです。個人的に(笑)。それをインフルエンサーの方がSNSにアップしてくださり、お問い合わせが殺到したんです」

境内には5羽のアヒルが。水中華×アヒルのコラボを撮影するのが人気! 撮影/石附雅代

 この反響に背中を押され、翌年からは本格的に取り組むことに。場所をいちばん大きな弁天池に移した。

「急拡大です(笑)。水に浮かべたあじさいは、もって3日くらい。晴れたり、気温が高いともっと早くに枯れてしまいます。ですので、水中華の期間中は、朝7時から1時間半かけて、枯れたあじさいの取り替え作業をしています。そして午後はまるまる、あじさいの剪定。この季節は、本当に大変です

 昨年は、山のふもとまで車が連なり、駐車場は3時間待ちになったという。

「法要で出かけたところ、お寺に帰ってこられなくなりました(笑)。お正月以上の混雑だったと思います」

 今年の水中華は7月1日からを予定しているが、咲き具合によっては早まる可能性も。

「すでに毎日、お問い合わせの電話が鳴りっぱなしです。今はこういったご時世ですので、みなさんには距離を保っていただき、美しいあじさいを目で楽しみ、そして心和んでいただけたらと思います」

【DATA】茨城県桜川市本木1【アクセス】JR水戸線岩瀬駅から車で10分【駐車】500台(無料)【参拝】8時半〜17時(あじさい祭中は21時まで)【拝観料】無料【あじさい祭】6/10〜7/20(ライトアップあり)【水中華】7/1〜実施予定【詳細】http://www.amabiki.or.jp/