糖尿病は南の地域に傾向が…

まじめすぎない気質が食生活の乱れに直結!?

糖尿病の罹患率は、毎日の生活が大きく影響すると思います。“パッと使って今日を楽しむタイプ”が多い長崎県や特に女性が活発で行動的な三重県などが入っていることから、楽天的な県民性が生活習慣の乱れなどにつながっているのかも」(矢野さん)

 田中教授は東日本に比べると健康に対する優先順位が少し低いのかもと分析する。

「生活の改善を医師から促され、きちんと守る人が多い地域もありますが、近畿や四国、九州など西のほうは、よくも悪くもまじめすぎない」

 逆に、糖尿病の少ない県は、1位神奈川県、2位東京都。

「田舎暮らしは健康的だと思われがちですが、都市部に暮らす人のほうが毎日さまざまな食材を口にするため栄養バランスがよく、通勤などで運動をする機会も多い。血管や骨がもろくなる人も少ないといわれていますね」(田中教授)

糖尿病による通院患者が多い県 ワースト5

1位    佐賀県
2位    鹿児島県
3位    三重県
4位    長崎県 
5位    和歌山県

参考:厚生労働省 平成29年患者調査 推計外来患者数「糖尿病」、総務省統計局「国勢調査結果」平成27年をもとに作成

うつが多いのは流行に流されやすい県民性!?

トップ2は流行に飛びつきやすい共通項

 うつの罹患率トップ5を見ると、ほかの疾患に比べてエリアの偏りはほぼなし。

「製品開発や研究所などが多い地域では、黙々と仕事をしてストレスを抱えがち。うつの罹患率が高まる傾向が」

 と田中教授。トップ2の県民性について矢野さんは、

「福岡県は、特に筑前の男性は九州男児には珍しくおしゃべり好き、新しいもの好き。千葉県は、特に北部の女性が明るく、ファッションにも関心が高いですが、流行に流されやすい特徴があります」

 と分析。周りの目を気にする県民性があるのかも?

 うつの患者が少ない県のトップは徳島県、続いて栃木県。

「徳島県は、ムダなお金を使わず、お金に関してガッチリ。栃木県は、控えめに見えてもたくましい女性が多い。周りに左右されず“ブレない”という共通点があるかもしれません」(矢野さん)

うつ病による通院患者が多い県 ワースト5

1位    福岡県
2位    千葉県
3位    岩手県
4位    島根県
5位    山口県

参考:厚生労働省 平成29年患者調査 推計外来患者数「気分[感情]障害(躁うつ病を含む)」、総務省統計局「国勢調査結果」平成27年をもとに作成

教えてくれたのは……
田中喜代次さん ●筑波大学名誉教授。肥満者の減量(スマートダイエット)、スマートエクササイズ等、“健幸華齢”のための包括的健康支援プログラムを開発。健康支援事業コンサルティングを行う株式会社THFの代表も務める。

矢野新一さん ●株式会社No.1戦略研究所所長。一部上場企業から地方企業まで幅広くエリアマーケティングを指導する傍ら、県民性研究の第一人者としてメディアで活躍。『犬猿県-絶対に負けられない県が、隣にいる!-』など著書多数。