春馬さんにとって加藤さんが母親代わりだったとするなら、父のような存在だったのが卯都木睦さんだろう。茨城県のオリジナルヒーロー『時空戦士イバライガー』を運営する『茨城元気計画』代表を務めており、春馬さんにとってはサーフィン仲間だった。

「今でも世界中のファンから手紙が届いています。今、私は春馬ファンのことを優先して日々を考えているので、僕自身が落ち着くのはだいぶ先になると思います。僕は“ヒーロー”でもあるので、目の前のことから逃げるわけにはいかない。泣きながら電話をかけてきたファンの対応を何時間もするような生活を1年続けてきました。だから“あれ、春馬っていなくなっちゃったのかな?”と、思い出す余裕すらないんです」

“父親”から熱心な指導を受けていたサーフィンは、春馬さんの趣味のひとつだったそう
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 春馬さんの死後、彼の出演する作品を見ていないという。

「まだ春馬のことをゆっくり考えている暇がないんです。今いちばん困っている、悩んでいるのは、突然の訃報に苦しむファンたち。彼らに手を差し伸べ、救うことを優先したい。もし天国から春馬が見ていたら“いっぱい迷惑かけちゃってごめんね”なんて言うと思いますが、全然気にならない。“俺メンタル強いから大丈夫だよ、気にすんな”って言ってあげたいですね」

春馬さんから「家族だよね?」

 春馬さんは、卯都木さん宅では自分の家のようにくつろいでいた。

海から帰ったら、ソファに寝そべって携帯をいじったりしていました。妻の誕生日には“ママさーん! 誕生日おめでとう!”と玄関から叫んだことも。春馬から“家族だよね? お父さんじゃん!”と言われたんです。“卯都木さんは僕にとって特別な人だから”って言ってくれたこともありました。“何、照れくさいこと言ってるんだよ”って笑ってごまかしましたけど(笑)。そういうふうに慕ってくれた春馬の、そんな彼のファンをないがしろにするわけにはいかないんですよね」

 卯都木さんが春馬さんとの関係をより深めていったのは、2016年ごろから。

「その当時は、春馬と家族との関係がなくなっていたので、知恵袋であり親代わりとしてついていてあげよう、と思って。春馬がいつ海に来てもいいように、サーフィンに適した午前中には予定を入れないようにしたんです。そうすると電話があって、“あさって空いてる?”とか言われて。亡くなる前の年の秋までは、週2くらいで来ていましたね」

 春馬さんがサーフィンをしていた海岸には、今もファンが訪れている。

「寂しげに海を見つめている女性がいるんです。浜には花が手向けられていることも多いですね。曜日を決めて海岸の清掃を行っているファンもいます。ときどき春馬のファンから僕が写真やサインを求められることもあります。春馬にゆかりのある人と関われることがうれしいみたいで」

 春馬さんの死を止められなかったことに、悔しい思いは残る。だからこそ、春馬さんの面影を、いつまでも忘れずにいたい。