50代既婚ライターの
「はじめての出会い系アプリ」

 婚活のためにアプリを使うのは一般的になったが、不倫相手探しにも有効なのか? そこで五十路既婚の女性ライターが自分自身の鮮度を確かめるべく、アプリで相手を探してみた!

(1)不倫専門アプリでは名前と年齢を入れただけで「いいね!」が次々と……

 まずは不倫専門アプリ「P」にニックネーム、年齢、住んでいる地域を入れて初期登録してみると、写真も出していないのに「いいね!」が次々とくる。世の中にはこんなに不倫を求めている人間が多いのか……。下心丸出しなのが怖くなり、まじめな人が多い(といわれる)出会い系アプリ「M」にしようとアプリを変更。ここは基本的に独身者向け。早速スマホでアプリを入手し、自分のプロフィールを打ち込む。

(2)少し“盛った”プロフィールと写真を掲載

 全くのうそではないとしても、客観的に見て男性ウケするように“盛り”要素を加えてみた。例えば、趣味は料理で、性格は明るくて快活など。そしてできるだけ若く見え、可愛い雰囲気の写真をアップした。すると、実年齢を公表しているにもかかわらず、想像を上回るレスポンス、つまり「いいね!」があったのだ。思わず「モテ期到来か」と勘違いするほど。何歳になっても男性から称賛されるのはうれしいものだ。

(3)アプローチはほとんどがシニア世代から。もしや既婚者という相手も……

 ただし「いいね!」をくれた相手は玉石混交。50代後半から70代のシニア層からのアプローチが多かった。その中からよさそうな人を選んで、まずはメッセージのやりとりをしてみる。「(自分の)写真はメッセージをいただけたら送ります」とか、「平日だったら会えます」と言ってくる相手は、既婚者のような気がする。かくいう私も既婚者。アプリのやりとりだけなら、罪の意識が起きないのが不思議だ。

 ちなみに相手からはすぐにメッセージの返信がくることが多かった。シニアならばコロナで暇を持て余している、会社員ならばリモートワークで自宅にいるので比較的時間の制約がないのかもしれない。

(4)あまりにも年下の男性はメンヘラ傾向があった

 自分のモチベーションを保つためにも、好みの年下男性と数人メッセージのやりとりを継続したのだが、中にはめんどくさい男も。会ってもいないのに「ほかの人間とやりとりしないでくれ」と圧をかけ、私のアプリ使用履歴を監視する“束縛系”、メッセージの言葉尻をつかまえて私の人格否定をしてくる“モラハラ系”など。これではいくら年齢が若くて多少顔がよくてもうまくいかないだろう。

(5)現れたのはマスクイケメン、その素顔は……?

 そんな中、なんとなくよさそうな出会いはあった。家が近所で、マスクをかけた顔写真がアメリカ人俳優のジョニー・デップに似ている年下の男性からアプローチがあり、メッセージのやりとりを経て、会うことに。はたして待ち合わせに現れたのは、マスクを取ったら半魚人のような顔の男性……。

 私のテンションはダダ下がりし、話も弾まないので「人混みにいるのが怖いから」と言い訳をして約1時間で解散。確か彼は「デート費用は男性が払うべき」とプロフィールに書いていたが、私の反応の悪さからか割り勘となった。マスクイケメンが多いのもコロナ禍ならではか。

 メッセージの送受信などの面倒なやりとりを厭わず、写真とは別人が待ち合わせに来てもそれほど気にしないなど、こまめでおおらかな性格の人がアプリ不倫向きといえる。えり好みさえしなければ、不倫道を進むのは簡単かもしれないが──。

株式会社MR 代表取締役社長 岡田真弓さん
探偵歴は約20年。50人以上の探偵やカウンセラーを統率し、探偵学校も経営する。近書に『探偵の現場』(KADOKAWA)など。

(取材・文/楊美釈)