トロフィーワイフの“急成長”がマイナスに

『ひるおび!』(TBS系)のコメンテーターを務める落語家・立川志らくは今ではバラエティー番組に欠かせない存在となりましたが、「うちのカミさんは18歳年下なんだけれども」が口癖の1つです。いろいろな番組で、妻の勧めに従って洋服は若者向けブランド・ヒステリックグラマーで統一していると明かしています。夫は売れっ子で経済力があり、妻の意見も聞き入れてくれる。愛妻家で絵に描いたような幸せに見えますが、自慢の愛妻は20代の弟子と自宅前でわいせつ行為に及んでいたことを『週刊文春』で報じられています。

 若々しく装っても、本物の若い男性にはかなわない。だからといって、妻の不倫が許されるとは思いませんが、加齢は努力ではどうにもならないことだけに、二人の関係性をヤバいものにしてしまうのではないでしょうか。

 市村&篠原の場合、篠原が単なるアイドルから人気女優としてのポジションを固めたことが、夫婦関係にとってはマイナスだったと思います。小室哲哉氏プロデュースの『愛しさと せつなさと 心強さと』で歌手として大ブレイクを果たした篠原ですが、小室ファミリーから離れてからは、以前ほどのヒットは出せないでいました。そのまま消えてしまう芸能人も多い中、篠原にはツキがありました。舞台に挑戦することになり、相手役の市村によって才能を引き出され、女優として開眼していきます。28歳の篠原にとって、舞台経験の多い市村は俳優としても男性としても魅力的だったでしょうし、当時50代の市村もバリバリ壮年でした。

1994年12月、初出場した紅白で『愛しさと切なさと心強さと』を歌った篠原涼子
1994年12月、初出場した紅白で『愛しさと切なさと心強さと』を歌った篠原涼子
【写真】美脚すぎて子どもの入園式で目立つ篠原涼子

 主役を張れるまでの女優と成長した篠原と市村は結婚し、お子さんが生まれます。主役というポジションを得ると自分に対する自信がついて、仕事や周囲に対して要求することが増えるでしょう。また、お母さんとなることで精神的にたくましくなり、夫がなんだか頼りなく見えてくるかもしれません。このようにトロフィーワイフが経済的・精神的に“急成長”を遂げてしまうと、結婚当初のバランスが崩れていきます。

 カップルのバランスを崩すものは、妻の急成長だけではありません。夫側の加齢や老化もきっかけとなりえます。見た目や精力の衰えはもちろん、人はメンタルも老いるのです。頑固になって人の意見を聞き入れなくなったり、怒りっぽくなったり、同じ話を何度もするようになったりします。

 トロフィーワイフとしての本分を全うできる妻であれば、何回同じ話を聞かされても初めて聞いたかのように「そうなんだ!」と驚いてあげられるでしょうが、子育てのことなど、妥協せずに話し合っておきたいことはそうもいかないでしょう。こうなると、夫は「昔はあんなにかわいかったのに、口うるさくなった」と感じるでしょうし、妻は「話の通じないヤバいジジイ」と思ってしまうのではないでしょうか。仕事があって魅力的な妻の場合、「もう一度、人生をやりなおしたい」と夫から逃げたくなるかもしれません。

 一方の夫はひとりで老いていく孤独や、トロフィーワイフに逃げられるのがみっともないという世間体から、離婚したがらない。こうなると、夫がトロフィーワイフにすがってしまう形になるのではないでしょうか。