看病するときの準備

 次に看病をする際の準備もしておこう。

看護する側のために、飛沫を防ぐマスクとゴーグル(もしくはめがね)を必ず用意しておくこと。アルコール除菌液や石けん、洗剤もストックし、家庭内での二次感染防止を徹底させましょう。体温計や体内の酸素飽和度を測るパルスオキシメーターもあるといいです

 普段から服用している薬のほか、市販の風邪薬などの常備薬も用意しておく。

 どれを飲んだらいいのかは薬局で薬剤師に相談を。ただし、市販薬はあくまでも代用案。原則は政府や厚労省などの指針に従うように。

 「風邪薬は新型コロナの治療が目的ではなく、風邪の症状をおさえて体力の消耗を和らげるためのもの。睡眠も確保できて回復につながります」

 解熱剤はアセトアミノフェンの成分が配合された総合風邪薬がベター。薬剤師によく相談してから購入しよう。

 そしてかかりつけ医に、万が一感染したときのことを相談しておくこと。連休中やお盆の対応についても聞いておくことが大事。

 また、高い熱が続くと、脱水症状になりやすいため、こまめな水分補給も必要になる。経口補水液や粉末タイプのスポーツ飲料も準備。

同居する家族が感染したら

自分や同居する家族が感染した場合の看病について話し合っておくことも大切。誰が看病するか、あらかじめ決めておいてもいいだろう。

感染拡大防止のため、看病する人は1人に限定しましょう。看病者は感染しやすいので、重症化リスクが高い妊婦や高齢者、基礎疾患のある人は避けます

 必ずメガネ、マスク、手袋、防護服代わりのビニールのカッパを用意。これらを着用し、看病にあたることが鉄則だ。

 看病をせず、症状が出ていない家族もウイルスを広げる可能性があるので外出は控える。

感染者とそのほかの家族で住居スペースを分けましょう。部屋を分けるのが難しければ、感染者と2メートル以上の距離を保って生活してください。仕切りやカーテンを設置して直接、飛沫を浴びないように工夫をすること。そしてよく換気をしましょう

 どうしても同じ部屋で寝なければならない場合には頭の位置を互い違いにするなどして、なるべく顔が向き合わないように注意を。

 風呂は常時換気をし、感染者は最後に入浴すること。洗面所やトイレは使った後は速やかに家庭用洗剤で清掃し、こまめな消毒も忘れずに。

 感染者が使用したマスクや鼻水をかんだティッシュなどにはウイルスが付着している。

ゴミの捨て方は“袋は二重にする”“ゴミに直接、触れない”“袋はしっかり縛って封をする”“捨てた後は速やかに石けんで手を洗う”。この4つを心がけてください

 これらを守ることで、ゴミを扱う清掃業者や近隣住民らの感染防止にもなるのだ。

 感染者が着用していた衣類やシーツ、枕などにも咳などでウイルスが付着している場合がある。そのため、1日1回は洗濯をしよう。ほかの家族のものと一緒に洗濯してもいいが、洗濯を行う人はマスクとゴーグル、手袋をつけて、感染防止に気をつけよう。

 汚れた衣類やリネンは80度以上の熱湯で10分間消毒し、洗濯するとなおよい。洗濯物は屋外に干してもOKだ。

看病者の衣類にも、ウイルスが付着している可能性があります。必ず洗濯し、手も石けんでよく洗ってください

 そして棚やリモコン、ドアノブなど感染者と看病者が触れたものは、必ずすべてこまめに消毒。家庭内感染を防ぐ大切なポイントだ。

 過去には高齢者で基礎疾患がある人でも自宅療養になったケースがあった。そのため、重症化リスクの高い高齢夫婦世帯の場合であっても入院できない想定をしておくことも必要だ。