結婚を言い出した途端、逃げ腰に

 結婚相談所のお見合い婚活を始めて、3か月経った友美さん(35歳、仮名)が、あるとき、ウキウキした声で連絡を入れてきました。

「お見合いでお会いした男性には、正直“いいな“と思える方がいなかったんです。それで、マッチングアプリにも登録してみたんですね。そしたら、すごく素敵な男性にお会いできて。2度ほどデートをしたんですが、その方とちょっと真剣に向き合ってみたいなぁと思っています。ただ、アプリなので、向こうにはお仲人さんがいるわけではないし、気をつけるべきことってありますか?」

 出会いは、どこにでもありますし、結婚相談所、マッチングアプリ、婚活パーティなど、どこで婚活をしても私は、いいと思っています。実際にマッチングアプリや婚活パーティで出会い、結婚している人たちもいます。

 ただ、ここで気をつけるべきことがあります。結婚相談所の場合、入会するときに独身証明書、身分証明書、収入証明書、学歴証明書などの公的書類を提出しないと入会ができないので、プロフィールに書かれている情報に嘘がありません。

 ですが、アプリの場合は、そうした書類の提出は任意なので、ほとんどの方が提出をせすに登録をしています。イベント業者が主催するパーティでは、免許証などの身分証明書を見せるだけで参加できるもの、またそんなものをいっさい見せなくても参加できるものがあります。チェックが甘ければ、年齢、学歴、職業、年収を詐称したり、既婚者が独身を装ったりもできますよね。

 なので、チェックの甘い婚活市場で婚活する場合は、お相手がどんな人なのか見極められる目を持つことが大切。また、何が起こっても、たとえ騙されても、そこは自己責任です。

 そんな話を友美さんにしました。すると、数週間後にこんな連絡がきました。

「アプリの彼から、『嫌いではないけれど、結婚は考えられない』って、言われたんです。これってどういうことなんでしょうか?」

 友美さんは、彼のことを本気で好きになっていました。聞けば、3回目のデートで男女の関係にもなっていたと言うのです。

 私は、友美さんに言いました。

「こういう男性は、アプリによくいますよ。結婚というよりも、楽しく遊べる女性を探していたんでしょうね。男性って、男女の関係になると、一旦気持ちがストンと下がるんです。でも、女性は男女の関係になると、そこから気持ちがグッと入ってしまう。楽しく女性と遊びたいなと思っていた男性は、女性が本気になってきたのがわかると、途端に逃げ腰になるんですよ」

 アプリやパーティなどで出会った男性に、“結婚”の話を持ち出した途端、相手の反応が悪くなったり、「結婚は考えられない」などと言ってきたときには、もうその関係は断ち切ったほうがいい。相手を好きになっていると、なかなか自分から関係を終わりにする決断ができないのですが、ズルズル関係を引き伸ばしていても、時間を無駄にするだけです。

 結婚は、“決断”です。お付き合いしている女性を大切だと思っていたら、すぐにでも結婚が“決断”できるんです。現時点で、「結婚は考えられない」と言っている男性が、3か月後、1年後に、「結婚したい」ということは、ほぼほぼないのです。

 そして、こんな出会いや関係の築き方を繰り返していると、3年、4年、あっという間に経ってしまいます。