キャバレーのボーイ、タイル店の見習い、白タク運転手……友人の誘いに二つ返事であっさり乗って職業を転々としてきた。あれよあれよという間に芸人となり、地でいくギャグに目覚めた間寛平。6300万円の借金を抱えた騒動も、周囲の力を借りて上手に甘えながら、乗り越えてきた。芸能生活51年目、いまだチャレンジを続けるレジェンド芸人のあまえんぼう人生とは──。

記念ツアーには明石家さんまも登場

 6月6日。東京千代田区有楽町のビルにある「よみうりホール」で、『間寛平芸能生活50周年(+1)ツアー〜いくつになってもあまえんぼう〜』の公演が始まった。

 前半のゲストコーナーには、かまいたち、千鳥、次長課長、中川家などいくつものレギュラー番組を抱える超売れっ子芸人たちが次々と登場。楽屋で出番を控える大先輩・間寛平をいじり倒し、会場を温めるひと幕もあった。そして、いよいよ本日のメイン、吉本新喜劇の舞台の幕が開いた。うどん屋を舞台に店の従業員たちと入れ替わり立ち替わり現れる客や闖入(ちんにゅう)者がドタバタを繰り広げる喜劇。

 内場勝則、辻本茂雄、池乃めだかなど吉本新喜劇の座長経験者が脇を固め、ジミー大西、村上ショージなどおなじみの顔ぶれも舞台を賑わせる。

 遠くからバタンバタンと激しい音が聞こえると思ったら、はげ頭に着物姿の老人、座長である間寛平(72)が、杖を四方八方に振り回し、床や椅子を叩きながら登場。「最強ジジイ」と呼ばれる寛平の定番キャラである。とぼけた風体のド派手な登場で客席は一気に笑いに包まれた。

50周年+1記念ツアーの新喜劇。おなじみのギャグで爆笑をとった 撮影/伊藤和幸

 そして、舞台も中盤に差し掛かったころ、「きゃー!」という歓声が沸き起こった。

 サプライズゲスト、着物姿の明石家さんまの登場だ。舞台中央でさんまが両手を動かすと、客席からは一糸乱れぬ手拍子がチャッチャッチャ、最後はおなじみのポーズで決めた。それからはさんまの独壇場である。ジミー大西、村上ショージ、そして寛平を相手にむちゃ振りに次ぐむちゃ振り。最初はギャグで返していた寛平も、さんまの執拗なたたみ掛けに、スベりにスベり、絶句してただ呆然。すると、場内の笑いは爆笑へと変わり、大変な盛り上がりとなった。

さんま登場でアドリブを連発。寛平の即席ギャグにさんまが思わず天を仰ぐシーンも 

 舞台の冒頭、寛平は浪曲の節回しで自身の半生をこう唄ってみせた。

「我の底力1割、9割皆のおかげです。ゴールまであと何kmかわかりませんが、皆さん、これからも支えてください。私はいくつになってもあまえんぼう」