東出はかつて感情論で莫大な利益を得ていた

 欲望に身を任せて不倫をし、元妻と子どもたちを不幸に陥れたという感情論的な罪を、東出はまだ償いきれていないように思う。

 の好感度が非常に高かったことも考えると、その“感情論的な罪”を帳消しにしたいのであれば、恋愛よりもストイックに仕事に打ち込むべきだったのではないか。その結果、役者としての評価を高めることができてからの熱愛報道だったら、世間はもう少し好意的で優しい反応になっていたかもしれない。

 俳優という職は、世間の好感度が仕事に大きく影響を与えるのも事実。不倫騒動後も役者という仕事を選び、続けているのは彼自身の選択なのだから、自由に恋愛できないことを窮屈に感じるのであれば、芸能界は彼には合っていないだろう。

 これまでの東出はと結婚したことで役者としての注目度が上がり、好感度の高いが選んだパートナーとして好青年キャラを確固たるものにした。そのパブリックイメージのおかげで大企業のCMも舞い込み、莫大な利益を得ていたはず。

 言わずもがなだが、好感度の高いパブリックイメージは、世間の感情論から成り立っている。つまりかつての東出は、感情論から多大な恩恵を受けていたことになるわけだ。

 おそらく東出自身、オイシイ思いをできるときは感情論の恩恵を享受して、大炎上するようなデメリットがあるときだけ感情論を否定したら、さすがにそれは都合がよすぎるということは充分自覚しているはずだ。今回の熱愛報道での強烈なバッシングも甘んじて受け入れるしかない。

 彼が今の自分の立ち位置をきちんと客観視できる人間性であれば、今回の炎上は起こらなかっただろう。……が、そもそも妊娠中の妻を無視して欲望に身を任せて不倫するような男には、馬の耳に念仏なのかもしれない。

PROFILE●堺屋 大地(さかいや だいち)●恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー、恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』(扶桑社)、『スゴ得』(docomo)、『IN LIFE』(楽天)などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』(文藝春秋)、『日刊SPA!』(扶桑社)、『Business Journal』(サイゾー)などに寄稿している。LINE公式サービス『トークCARE』では、恋愛カウンセラーとして年間1000件以上の相談を受けている(2018年6月度/カウンセラー1位)。