SNSで学生時代の友人と再会
生活格差にあぜん!

 専業主婦の香織さん(仮名・38歳)は、高校時代の友人とSNSを通じて一昨年に再会しました。

「最初のころは、ほかの友人たちも含めた4、5人のメンバーで集まっていました。私が通っていたのは、地元でも珍しかった中高一貫の女子校。その中でも学生時代に同じバレーボール部で、仲がよかった容子さん(仮名・38歳)とは、子どもの年齢も近く、二人で会うようになりました

 香織さんの夫は、映画やエンタメ情報を扱う媒体の記者をしています。しかし、年収が手取りで300万円台といいます。香織さんも、もともとは出版社に勤務していました。

「経験を積んでエンタメ系の出版社に転職できればと思っていましたが、激務のため30歳を前に体を壊して退職しました」

 香織さんは、容子さんのfacebookを見るとモヤモヤするそうです。

「容子さんの子どもが着ている服も小ぎれいだし、週末は家族で出かけていて羨ましくなるんです。うちは、夫の収入も少なくて、普段の生活はカツカツ。夫の髪はバリカンで自分で整えて貰っていますし、私も自分で髪を切っています」

「学生時代は私のほうが上だったのに……」
ついマウンティングしてしまう

 そんな香織さんは、2歳になる娘を育児しながら、来年春に出産予定の赤ちゃんを妊娠中。一方で容子さんは20代半ばで結婚し、すぐに第一子を出産していました。

「私は34歳で結婚しました。2歳年上の夫と一緒に婦人科に通院して、急いで妊活しました。私は妊娠も年齢的に焦りがあったんです。だから結婚も妊娠もスムーズにできた容子さんが、羨ましいって感じました」

 優秀だった香織さんにとって、容子さんはパッとしない生徒だったと言います。

「私は国語の模試で3位を獲ったことがあるし、成績もよかったんです。部活のときも、私は副部長で、容子さんはただの部員。それなのに今では容子さんは、外資系メーカーでチームリーダー。彼女は人をまとめるのに向いていない性格だったのに……と思います」

 慎ましい生活をしている香織さん。第2子を出産し、育児が落ち着いたらパートで働きに出る予定です。

「求人を探しても、子どもが小さいし、妊娠中なので見つからないんですよね。

 容子さんに会うとつい、『大学時代はモテたんだ。付属校出身の男性と付きあったけれど、価値観が合わなくて別れちゃってさ』とか、『ほかにも結婚を考えた男性がいて、その人の実家はビルを持つ資産家だったの。でも夫のほうが将来有望だからそっちを選んだ』と、過去に対して大げさに“盛って”言ってしまうんです」

 香織さんは、最初は容子さんと会って懐かしい話をするのが楽しかったと言います。でも何度か会ううちに、彼女と自分を比べてしまうようになったそうです。

「仕事も結婚も上手くいっている容子さんを見ると、自分が惨めに感じてくるんです。仕事を辞めなければよかったなとか、元カレと別れなければよかったなとか後悔してしまうんです」