「見えない型」は収納法を見直す

 ぎっしりと食材が詰まって奥に何が入っているかわからないタイプ。食材を使うたびに、「あれ、どこいった? 」となる人は収納法を徹底的に見直して。

「美味」と「ギリギリ」を庫内に戻すときに、なんとなく入れてしまうと元の木阿弥。定位置を決める、空間を空けるといった基本テクニックで、散らからない仕組みづくりを確立させよう。

収納ポイント

(1)定位置決めと見える化は必須
 ドアポケットなど、入れるものが決まっている場所から取りかかる。「ドリンクや調味料はドアポケット、卵は卵ケース、肉・魚はチルドへ。その後、空いている空間に、その家庭ならではの指定席を決めます」。このとき、空間を空けて収納を。「取り出しやすく、食材がすべて見渡せるように、ゆったりと配置を」

(2)透明な容器が役立つ
「見えない」は使い忘れにつながりやすい。食材を入れる容器は、深さが浅く、透明なものがベスト。中身が見え、食材が取り出しやすくなるので、扉を開けてカゴを引き出して、その中をのぞき込んで、食材を探す、という手間も減らせる。

(3)冷蔵室下段はフリースペース
 いちばん広い下段は、空けておくのがおすすめ。「一時置き場として活用。鍋ごと入れたり、ケーキを箱のまま入れたりという具合。食べてしまえば、また空いた空間になります」。定番品はドアポケットや上の段が指定席となり、下段は日々変わる食材を入れる場所、とルール決めを。

(4)野菜室と冷凍室は立てる収納
 引き出し式の野菜室と冷凍室は、「立てる」のがお約束。「上から積み重ねる収納はNG。使い忘れにつながります。便利なのがブックエンド。本棚のように立ててしまいやすく、仕切り代わりにも」。野菜室のスライドケースには、使いかけの野菜をカゴにまとめて入れて。

「ため込み型」は買い物の仕方を変える

 買い物自体が好き、お得などの言葉に弱い、在庫がないと不安な人が多い「ため込み型」。「大片づけで、食材がたくさん出てきた人や、“ゴミ”や“ギリギリ”が多かった人は、在庫が多すぎる証拠。買い物の頻度や量を見直す必要があります

 必要な量だけ買う習慣をつけることが、すっきり空間をキープする秘訣だ。

買い物の仕方のポイント

(1)在庫が多すぎたら買い物に行かない
「美味」と「ギリギリ」を庫内に戻しても、まだ食材がたっぷりと入っているようなら、しばらくは買い物に行かず、使い切ることを優先。「思った以上に何日分もの食材があった……という人は多いです。在庫を減らしながら、1日にどのくらいの食料が適正なのか、改めて考えてみて。ついつい買ってしまう悪習慣を絶ちきりましょう」

(2)買い物は必ずメモ持参で
 メモには、買うものと、いま庫内にあるものを書く。「主に、早く食べてしまいたいギリギリのものを書きます。これらを使い切ることを優先して献立を考え、買い物をします」。余ったものやギリギリのものから使い切る。その流れが「いまあるものメモ」でできていく。これが食材のムダをなくす大切なコツ。

(3)買い物頻度を見直す
 冷蔵庫は「一時置き」の場所であり、買って、置いて、食べるというサイクルを意識したい。「毎日買い物に行くなら、1日で食べられる量を。週に1回の買い物なら、1週間で食べられる量を購入。食材が余るなら、買い物頻度が多いか、買う量が多いという証拠です」

■体験エピソード:すべてにチェックがついた末期的な冷蔵庫が激変!
 高校生と大学生の息子をもつKさん(50代)。食べ盛りの子がいることもあり、作りすぎた惣菜や、ストック食材などで、冷蔵庫はいつもパンパン。チェックリストではすべてに該当したほど。「このままじゃいけないと一念発起して大片づけ! 奥からは古くなった食品がたくさん出てきて大反省でした。冷凍室にもいつ入れたかわからない食品が大量に。大野さんの指導をもとに散らからない仕組みをつくってからは激変。リバウンドもなくなり、冷蔵庫だけでなく家中もきれいになって、その後片づけの資格までとってしまいました」