「自然災害・天災が増える」

 引退してからは、どのような生活を送っていたのか。冒頭のかおりさんが、週刊女性の取材に応じてくれた。(以下、かおりさん)

コロナ禍で外出は控えていましたが、ひ孫と遊ぶことがいちばんの楽しみでした。1~2歳孫が立てば“立ったよ!!”と喜んで、部屋を走り回る姿を見ては“ヤンチャだね”とうれしそうに目を細めて笑う姿をよく覚えています。

 引退理由も、家族とゆっくりとした老後を過ごしたいという願いがありました。姪だった私が'16年に養子縁組をしてから再び一緒に住んでの5年間。短かったかもしれませんが、いい時間を過ごせたと思っています」

 後継者となったかおりさんに向けて、細木さんが言い続けた“ことば”があるという。

“人にしてあげたことは忘れなさい。しかし、人にしてもらったことは絶対に忘れてはいけない。生涯、感謝の心をもって生きなさい”とよく言っていました。母はたくさんの人との縁やつながりを大切にし、常に感謝の心と謙虚な気持ちを胸に生きていた人でした。私も同じように、感謝を伝えていきたいですね」

 未来について、こんな“予言”もしていた。

「“人が生きるため、便利になるために自然を破壊した。その怒りを買い、今後は自然災害・天災が増える”ということは、懸念していました」

 昨年から今年にかけて、未曾有のパンデミックが世界を襲った。日本では落ちつきを見せ始めているが“安堵はするな”と、私たちに警鐘を鳴らしていたのかも──。