今や『笑点』の司会を務める人気落語家も、そのきっかけはささいなものだった。自身の経験に基づいて、昇太は学生たちにアドバイスを送る。

11月22日に行われた公開授業の様子。学生や一般客の前で噺家らしい軽快なトークを披露(提供・東海大学)
11月22日に行われた公開授業の様子。学生や一般客の前で噺家らしい軽快なトークを披露(提供・東海大学)
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興味のないことをたくさんやってください。興味があることをやるのは簡単。でも、興味がないことでも1回でいいからやってみる。そうすると、意外と合ってたり面白かったりするんです。たぶん人間は“興味がないことをどれぐらいできるか”が大事で、それが人を成長させたり、知識を広げたりするいちばんの方法だと思います」

 語り口は柔和なものの、表情は真剣そのもの。“教授”らしい一面を見せた昇太は、そのまま「清水の城と歴史」というテーマで授業を進めた。

授業は次第に結婚の話に

「663年に起きた“白村江の戦い”や清水にゆかりがある武将の梶原景時、日本各地の城跡などについて解説しました。実際に城跡を訪れた際の写真なんかも見せてくれて、学生たちも聞き入ってましたね。かなり詳しくて、びっくりしましたよ」(参加した女性)

 詳しいのもそのはず、昇太はプライベートで約600もの城跡を巡っている“お城マニア”。これまでにも、城好きが高じて仕事につながることがあったという。授業でも、その“お城愛”を語った。

「中学生くらいからお城が大好きで、ずっと趣味として城跡を見てきました。今は、お城の番組に呼んでもらえたりするので、なんでもやっておくものだなと感じますね」

 2011年には『城あるきのススメ』(小学館)という著書まで執筆。その博識ぶりに参加者の多くも感心したが、会場をより沸かせたのは……。

「“大学で落語を知ったおかげで、今ものすごく幸せに暮らしています。人生、すごくうまくいってる”とにこやかに話すと、続けて“結婚もしてね。しかも(妻は)宝塚ですよ、みなさん!”なんて言うから、会場のみんなも思わず拍手(笑)。その後も“宝塚と結婚した人なんて、周りにいますか? ねえ、いる? いないでしょ!”なんて学生に問いかけて、会場を盛り上げていましたよ。

 前半に話した“興味のないことでもやってみる”ことの重要さをここで改めて説いて“みなさんも頑張って、宝塚とか(嫁に)もらってみてください”とちゃめっ気たっぷりに授業を締めくくりました」(前出・女性)