いつもいい風が吹くとは限らない

 今年は映画『花束みたいな恋をした』、ドラマ『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』など話題作への出演も相次いだ。

「そうですね。でも今年は自分自身を世の中に発信すること以上に、自分自身を知った1年だったと思います。去年、コロナ禍になってから青柳翔さんとキャンプに行くようになって。で、本格的に登山を始めるようになって。人生の趣味を見つけたな、と思っています。来年は、富士山に登ろうと思っています。

 やりたい仕事や作品に出会えるのは縁だし、運。いつもいい風が自分に吹くとは限らない。だからこそ、当たり前の日々を普通に、丁寧に生きることが、役者にとっての成長になる気がしていて。そういった意味でも、自分の心の移ろいをちゃんと感じながら、いい大人になっていきたいなと思っています」

スクープ写真を撮るときは……

 発売中の週刊女性を手渡すと、「いつか撮られそうだなぁ」 
 えっ、素敵な熱愛をですか!? ぜひぜひ!
「撮るときは絶対、カッコいい写真にしてくださいよ。マスクして半目、みたいなのは恥ずかしいから(笑)。僕の家の前だったら急いで着替えてくるので、撮る角度なんかも含め、しっかり打ち合わせをしましょう(笑)。お願いします」
 何ともノリのいい佐藤であった。

軍艦島での撮影

 本作では、現在は立ち入れない軍艦島内部での撮影も行われた。
「軍艦島って、長崎から全然見えるんですよ。船でだいたい20分くらいかな。当たり前なんですけど、近づくほどに大きくなっていくから“うわ、でけぇ”。降り立つと“すげぇ”って感動がブワッと起こって。だけど歩いてみると、心が静かになる。“ここにも人の生活があったんだ”と、ふつふつとわき起こる感動へと変わる。実際に行ってみないとわからない感覚で、本当にいい経験になりました」

『軍艦少年』
12月10日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国公開 
配給/ハピネットファントム・スタジオ

《撮影/渡邉智裕 ヘアメイク/KOHEY スタイリスト/平松正啓(Y's C)》