《たいへん申し訳ございません。ありがとうございます。本当に身内の近親者のみで、お別れを、そしてお骨にすることができました。みなさん、ご協力ありがとうございました》
《本当にみなさん、お寒いなか、申し訳ございませんでした。ありがとうございます》

 神田沙也加さんが急逝してから3日後の12月21日、札幌市内の斎場に集まった報道陣を前にして“会見”を開いた神田正輝松田聖子。それぞれ悲痛の面持ちを浮かべながら、それでもカメラを前に謝罪と感謝の気持ちを述べた。これまで数々の会見に臨んだ彼らではあるが、最もつらく悲しい会見だったに違いない。

 この様子が翌日の各ワイドショーや情報番組で一斉に伝えられたのだが、『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)の宮根誠司キャスターは《会見という形になりましたが、これはおふたりの希望だったのか》と疑問を投げかけ、2人が並んだ姿に《僕はもうキツくて、しようがなかった》と気持ちを慮った。

 フジテレビ系『バイキング』では、会見後の2人に向けられた《今の気持ちは?》という現場記者の質問が炎上していることを取り上げ、取材するマスコミの姿勢にも言及。「この言葉は許せない」と、高橋みなみらコメンテーターが憤りを見せる一方で、MCの坂上忍は会見を開いたことに《びっくりした》として、

《(質問を投げたことは)肯定はできないんだけど、マスコミの人たちも戸惑っていたのかな……。ただ、それでも(記者が)経験値を積んでいたら、2人の言葉を聞いていたらそれは(気持ちは)わかるだろう、と言いたいんだけど》

 と、普通ならば立ち会うことがない異例の会見に、取材側も“場慣れ”していなかったであろうことを指摘。MCとして番組を作る立場にも立って、冷静に伝えることに徹したのだった。

会見する必要があったのか

 番組を通じて悲痛会見の様子を知った世間も、ネット上でさまざまな反応を見せた。中でも斎場まで押し寄せたマスコミへの遺憾、沙也加さんの遺骨と位牌を抱えたままの神田と聖子が会見に応じたことへの戸惑いの声が目立っている。

「葬儀を終えたばかりの2人に、“痛々しくて見てられない”“芸能人だからってそこまでしなくてもいい”“会見する必要あった?”と、無理して報道陣に姿を見せる必要はなかった、とする意見が目立ちます。沙也加さんも芸能人だったとはいえ、葬儀は極めてプライベートな部分。

 後にFAXでコメントを各社に送ったり、今なら事務所HPで気持ちを綴る手段もあります。むしろ、現在は後者の方がマスコミ対応として主流と言えますし、たとえ会見を開かずとも責められることではありません」(スポーツ紙芸能デスク)

 例えば、先日結婚した菅田将暉と小松菜奈は、連名の直筆コメントを公式HPに載せたことで発表に変えた。また世間を驚かせた嵐・櫻井翔と相葉雅紀の“W結婚”も、ジャニーズ事務所のHPでコメント発表したのみ。祝福される結婚でさえ、今では会見を開くことは稀になっている。