確かに内村さんは野菜が嫌いで、よく“偏食”と言われがちですが、千穂さんの手料理は昔から好きでしたよ。特に奥さんが作るカレーが大好物で“毎日カレーでもいい”と話すくらいでしたから。とあるテレビ番組で“今、何をいちばん食べたいか”と聞かれた際も“奥さんの手料理”と即答していましたし。練習以外で自宅で時間があるときは、千穂さんの家事の手伝いもしていたそうです」

 子どもの面倒に関しても、

「今回の記事では《娘たちが遊んで欲しくて声をかけても『邪魔』と言うか、無視するだけ》とありますが、午後練習のときは午前中にお子さんのお世話をしたり、奥さんの実家に子どもを車で送り迎えしていたとも聞いています。

 上の娘さんに逆上がりを教えたことがあったそうなのですが“一度できるようになっても、後日やってみるとできなくなってる”って笑ってました(笑)。どうやらお子さんは鉄棒に関心がないらしく、その代わりに恐竜が大好きで、100種類以上の恐竜の名前を覚えているんだとか。そういう話を聞いていたので、内村さんなりに育児を頑張っていた印象があるんですけど……(同・前)

「言わなくてもわかるでしょ」のマインド

 実際、2016年のリオデジャネイロ五輪の個人総合で金メダルを内村が獲得した際に千穂さんは、

「家ではイクメンですね。子ども大好きです。子どもと家でも遊んでくれているので、いいパパだなと思います」

 と、テレビ番組のインタビューに明るく答えている。

 内村は年を重ねるごとに、イクメンぶりや妻への配慮を欠いてしまった可能性はある。とはいえ、2人をめぐる報道と証言が食い違っている根底には、内村の不器用な性格も影響しているのかもしれない。

内村さんは他人を褒めたり励ましたりすることが苦手だと、家庭を持ってから気づいたそうです。確かに、体操は団体戦はあるものの、競技自体は1人で行う個人スポーツ。練習や試合、休息時間も含めたすべてのことを自分の中でストイックに完結させる必要があります。

 どうしても自分に厳しくなりがちな競技なだけに、家族に対しても“言わなくてもわかるでしょ”といったマインドになってしまい、当たり前のコミュニケーションが取れなかった部分もあったのでは」(スポーツ誌ライター)

 1月14日の引退会見で内村は、次のような言葉を述べた。

「僕は小さい時からずっと父親に“体操選手である前に一人の人間としてちゃんとしていないとダメだ”と言われ続けて育てられたので、その意味がようやく分かった」

 何が真実なのかは判然としない今回のモラハラ騒動。父親の言葉を理解したという内村だが、妻と子どもと一緒にどのような“着地点”を見つけるのだろうか。