いつ、どのタイミングで白湯を飲めばいい?

「日本人全体の体温が昔に比べて低くなっているのも冷えの原因」と石原先生。

「冷えとは平熱が36•5度に満たない状態のことで、女性が8割、筋肉量の多い男性でも6割、子どもは5割が冷え性というデータがあります。冷えが増えたのは水分のとりすぎに加え、食生活の変化で身体を冷やす食べ物をとるようになったこと、運動不足による筋肉量の低下、湯船につからずシャワーだけになったこと、そしてストレスの多い生活が原因です」

 身体が冷えてしまうと太りやすく、ダイエットしてもなかなかやせない、便秘や下痢といった腸トラブル、頭痛に肩こり、あらゆる肌トラブル(吹き出物、ニキビ、敏感肌、乾燥肌、オイリー肌、シワ、たるみ)、生理痛や生理不順、うつ、不眠といったメンタルの悪化など、もう悪いことだらけ! その予防のため、白湯がオススメとのこと。ではどう飲むのがいいでしょう?

朝は体温が下がっているので、温かい白湯を飲むのは効果的です。朝お湯を沸かすのが面倒だな、という方は前の晩に沸かしてポットに入れておけば、忙しい朝でも手軽にいただけます。また身体を温めて、水分をとったほうが寝つきもよくなるので寝る前もオススメですね。

 夜トイレに行きたくなるから飲まない、という方がいますが、のどが潤う程度で構いませんので、できれば飲んだほうがいいです。あとはのどが渇いたタイミングで飲む。これを繰り返して、自分に合った水分量を知ってください。『1日で必ずこの量を飲む』とルールにすることは、絶対にやめてくださいね!」

 のどの渇きに気づきにくい高齢者は「◯時になったら飲む」と決めて飲むようにすると効果的だそうです。

より効果的な白湯の飲み方

「でも正直なところ、白湯ってぬるくて、美味しくないですよね?(笑) また飲んだときは身体も温まって、水分をとることができますが、いくら温かいといっても、いずれは身体の中で温度が下がり、身体を冷やしてしまう原因になります。飲み方を工夫することで美味しく、しかも冷えを撃退する方法があるんです

 それが石原先生がオススメする、白湯への「ちょい足しレシピ」。しょうがやはちみつ、味噌、葛などを足すことで、いつまでも身体がポカポカする効果があるそうです!

 ではどのくらい継続すれば白湯の効果は出てくるのでしょう?

「クリニックに来ている方だと、早いと2週間で体温が0•5度上がったり、ちょっとした不定愁訴や不調は1か月もするとよくなってきます。体温が1度違うと、代謝が12~13%違ってくるんですよ。でも難しく考えず、水分に加えて食事に気をつけて、お風呂にもつかること。運動はちょっとハードルが高いですが、散歩したり、家でスクワットや片足立ちなどでもOKです。それから腹巻きをして、身体を冷やさないのもオススメ」

 漢方では「調子が悪いけれど、休むほどではない」という状態を“未病”といい、それが悪くなると病気になってしまう分かれ目なのだそう。

「未病の段階できちんと気づき、養生しましょう。そのために、毎日美味しく白湯をいただいてくださいね」