しかし、結婚して夫婦になると「配偶者が自分以外と性的関係を結ばないことを要求する権利」である貞操権が発生します。夫が妻以外の女性とセックスをした場合、妻が相手の女性に慰謝料が請求できるのは、相手の女性が夫婦間の貞操権を侵害していると考えられるからです。どんな結婚を望むかは人それぞれですが、自分の配偶者にぜひ不倫してほしいという人はほぼいないでしょう。すぐに好きな人ができてしまう「恋愛体質」の人が、配偶者以外に恋をしても心の中で思うだけで我慢できるなら問題ありませんが、誘惑に勝てる人ばかりとは限りません。結婚は「恋愛の打ち止め」を意味しますから、恋愛大好き、オトコ大好き、好きな人がコロコロ変わるタイプは実は結婚に不向きだと思うのです。

「異性に相談するクセ」がある人も要注意

 もう1つ、「悩みごとがあると、専門家でない異性に相談するクセ」を捨てられない人は、結婚に向かないと思います。『ポストセブン』の2021年12月22日配信記事によると、愛ちゃんは日本で活動するにあたり、会社を設立することにしたそうです。その際に年下ではありますが、知識も人脈も豊富なA氏のことを思い出して彼に連絡し、上述した横浜デートに至ったとういわけです。A氏が有名大学出身で有名商社に勤務するエリートサラリーマンということで、相談相手として適任だと思ったのかもしれませんが、一流アスリートが引退後に会社を作って活動することはよくありますから、そちら方面にもっと詳しい専門家がいるはずです。本当にビジネス上の助言を求めていたなら、もっと適任者が周りにいたのではないでしょうか。

 相談は男女が親密になるための“口実”として使われることはよくありますが、相談相手を選ぶとき、人は無意識に自分が相手に好感を持っている、もしくは自分に好意を持っていそうな人を選ぶものではないでしょうか。結婚すると、夫婦関係や子育て、自分の個人的な人間関係、仕事、親戚づきあいなど、無数にもめごとのタネがあります。不安や不満を抱えるたびに男性を頼ったり、男性に相談していたら、間違いが起きる確率は格段にあがってヤバいことになると思うのです。

 愛ちゃんは離婚して間もないですし、お子さんとも離れてさみしいのかもしれません。A氏も日本人なら誰でも知っていると言って過言ではない、愛ちゃんという有名人女性とつきあえて周りが見えなくなっているのではないでしょうか。他人サマに結婚するなと言う権利など誰にもありませんが、再婚の意志が本当でも、何も「今すぐ」する必要もないように思うのです。

 結婚は“契約”ですから、結婚すると守らなくてはいけないことが増えます。その枠に収まるのが苦手なのに結婚するから、ヤバくなってしまうわけです。それなら、結婚しないという形で恋愛を続ければいいのではないでしょうか。離婚そのものがマイナスになる時代ではありませんが、異性が絡んでの離婚の場合、イメージダウンは避けられません。急がずに、ゆっくり判断してほしいものです。


<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」