大切なのは“気持ちに寄り添う会話”

(NG)「若~い!」
(OK)言わない

 例えば、ママ友同士で話しているとき、ひとりだけ世代が違うママに「え~30代なの? 若~い」などと言うのはNG。若さへの憧れを含んでいるとは思うが、言われた側にしてみれば、「私たちとは別」と一線を引かれたような拒絶感を覚えてしまう。

 さらに「私が30代のころは、毎日忙しかったな~」などという昔話も避けて。昔話はたいてい自慢話となりやすく、聞き手をうんざりさせてしまう。

(NG)「要するに○○なんでしょ」
(OK)「そうなんだ」

 人の話を聞いて「それって、こういうことでしょ」と要約できるのは、頭の回転が速いともいえる。けれども相手は「ただ悩みを聞いてほしい」「たわいのない会話をしたい」と思っているのに、要約をしてズバッと解決策を提案してしまうと、「共感してくれない」「自分の頭のよさをアピールしたいの?」と不快に思われがち。

「そうなんだ」「大変だったね」と気持ちに寄り添う会話を心がけよう。相手からの信頼度もアップするはず。

(NG)「私なんて」
(OK)「私は」

「私なんて顔が大きいからショートヘアは無理!」「私なんて仕事が遅いから、みんなに迷惑かけてばっかり」など、自分を卑下する言い方は要注意。「そんなことないよ」とフォローを期待した言い方でもあり、聞き手はそれを感じて「面倒くさい……」と疲れてしまう。

「私なんて」と言いそうになったら「私は」に変換を。「私は仕事が遅いかもしれませんが、頑張ります」というように最後はポジティブに締めるとグッと好かれる話し方に。

●自慢だけじゃない!自分の話をしないのも悪印象

「あなたはどう思う?」と意見を求められたり、プライベートな質問をされたりしたときに、答えをはぐらかすことはありませんか? 自分の話や自慢話ばかりする人は嫌われるが、逆に自分のことをひた隠しにするのも損な話し方

「自分のことはあまり明かさないよ」という防衛反応は、相手との距離を広げてしまうことに。適度に自分の話をすることで、「あなたを信頼しています」というメッセージが伝わり距離が縮まりやすい。

お話を伺ったのは……五百田達成さん
作家、心理カウンセラー。人付き合いやコミュニケーションに関する実践的なアドバイスが評判で、メディア出演や講演など多方面で活躍。近著に『超話し方図鑑』(飛鳥新社)

《取材・文/樫野早苗》