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ー がんに効果のある“抗がん食材”を10種厳選
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ー コンビニ食で大腸がんのリスクが大幅増

 

 年間に約100万人の“がん患者”が新たに生まれている日本。死因1位もがんだ。がんを遠ざけるためにはどうしたらいいのか。がん専門医である帝京大学福岡医療技術学部教授の佐藤典宏先生に話を聞いた。

がんに効果のある“抗がん食材”を10種厳選

「がんは日々の食事で確実に遠ざけることができます」と断言する佐藤先生。日本だけでなく海外でもがん患者は増加傾向にあり、がんに関するさまざまな研究が世界中で行われていて、特に食べ物とがんに関する研究が進み、近年、がんになるリスクを下げる食材がわかってきたというのだ。

「たとえばブロッコリーには強力な抗酸化作用があり、遺伝子が傷ついた細胞を消し去るなどして、がんの発症リスクを下げてくれます。そういった効果のある食材を10種選び、“抗がん食材”と名付けました」(佐藤先生、以下同)

 以下の食材が専門医が選んだ“抗がん食材”だ。

・キャベツ

「キャベツなどのアブラナ科の野菜には、植物が有害なものから自分の身を守るためのファイトケミカルという成分が豊富に含まれます。その一種のスルフォラファンには強力な抗酸化作用があり、がん細胞の増殖や転移を抑える働きがあります」

・ブロッコリー

「ブロッコリーは強い抗酸化作用のあるアブラナ科の野菜。特にブロッコリーの新芽であるブロッコリースプラウトには多くのスルフォラファンが含まれていて、最強の抗がん食材だと言えます」

・ごぼう

「ごぼうには食物繊維が多く含まれていますが、質も優れています。食物繊維には水溶性と不溶性があり、どちらもがん対策に大事なのですが、ごぼうは両者のバランスがとてもいいのでおすすめです」

・長いも

「長いもに含まれるレジスタントスターチという成分は善玉菌のエサになるため、腸内環境を整えるのに役立ちます。腸の状態がいい人のほうががんになりにくかったり、たとえがんになっても薬が効きやすいことがわかっていますので腸内環境改善も大事です」

・玉ねぎ

「玉ねぎをはじめとしたアリウム属の野菜には、ポリフェノールの一種で、強力な抗酸化作用を持つケルセチンという成分が豊富なため、抜群の抗がん作用があります」

・にんにく

「アリウム属の野菜を代表するにんにくには、二硫化アリルという成分が含まれていて、その成分の抗酸化作用と抗炎症作用によって抗がん効果が期待できます」

・きのこ

「きのこ類に含まれるβグルカンという成分は免疫力を高める働きがあり、がんなど、さまざまな病気の予防に効果的です」

・トマト

「トマトに含まれるリコピンには、がん細胞が増殖するのを抑制したり、がん細胞の成長に必要な血管新生の阻害に働きかけたりして強力ながん予防効果を備えています」

・脂ののった魚

「さば、いわしなどの脂ののった魚には、オメガ3脂肪酸が豊富です。オメガ3脂肪酸は、がんの原因や進行の要因になる炎症を抑える働きがあり、がんリスクの低下に効果的です」

・海藻

「昆布やわかめ、めかぶといった海藻類に含まれるフコイダン。コレステロールや血圧を下げるのに加え、がん細胞が増えるのを抑える抗腫瘍効果や、がんの成長に関わる血管新生を阻害する効果があります」

 これらの“抗がん食材”を日々の献立に取り入れれば、がんのリスクを下げることができる。どれも身近なスーパーマーケットで手に入るものばかりなのでぜひ実践したい。

「私もがんを遠ざけるためにこれらの食材をスープやサラダにして食べています」

 その一方で、がん専門医である佐藤先生が口にしないものがあるという。