「それはコンビニ食です。コンビニで売っている菓子パンやカップ麺、スナック、デザート類は“超加工食品”と呼ばれる食品で、フランスの10万人を対象とした研究では、超加工食品を最も多く食べるグループでは、最も少ないグループに比べてがんの発症リスクが20%以上高くなっていました」

コンビニ食で大腸がんのリスクが大幅増

 食べ物だけでなく、甘い炭酸飲料やジュースなどの清涼飲料水も超加工食品に属するので要注意だ。

 超加工食品には、糖分や塩分、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸などの身体に悪い油、防腐剤、色素発色剤など、非常に多くの添加物が入っていることががんのリスクを上げる原因だと考えられている。

 超加工食品を日常的に食べ続けると、どんながんになりやすいかについても、世界中でさまざまな研究が行われていて、3つの大規模な観察研究をまとめた解析では、大腸がんの発症リスクが30%上昇し、特に肛門に近いS状結腸や直腸のがんリスクが70%も高くなっていたという。大腸がんは食べ物によってリスクが左右される代表的ながん。特に注意が必要だ。

「私は菓子パンやカップ麺だけでなく、コンビニのお弁当も脂質や塩分が高めなので食べません。以前は忙しさにかまけてよくコンビニ弁当を食べていましたが、がんの医者ががんのリスクを上げる食生活をしているわけにもいかないので、一念発起してコンビニでご飯を買わないようにしました。最初は辛かったですが、もうすっかり慣れて、脂っこい揚げ物が入ったお弁当を食べたいという気にならなくなりました」

 お昼はほとんどコンビニで済ませているという人も少なくないだろう。だが、食事は365日、毎日の習慣。食材選びやメニュー選びなど、少し意識するだけでがんのリスクは変わる。ぜひ意識してがんを遠ざけたい。

佐藤典宏先生●がん専門医、帝京大学福岡医療技術学部教授。主な著書に“抗がん食材”を使った最新レシピ集『がんにも勝てる長生き腸活スープ』(主婦と生活社)などがある。

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