辞めてほしい人は辞めず、残ってほしい人が

 どこの局も大変だが、フジテレビ関係者は今回の“希望退職”が、現状を打開する手段になると思えないと話す。

「ひと言でいえば、“人材流出型”のリストラになってしまっている。希望したことが明らかになっている有名プロデューサー、有名アナウンサーを見るとわかると思いますが、“デキる人”が辞めている。これはフジテレビだからという話ではないと思いますが、希望退職制度はどの会社でも“会社にとって辞めてほしい人”は辞めず、“辞めてほしくない人”が辞める状況になることが多いと思います。デキない人イコール給与に見合った働きをしない人であり、そういう人はしがみつく。またこれはテレビ局あるあるの事情になりますが、“縁故”で入ってくる社員も少なくないですからね……。まぁ優秀な人もいますが。

 一方で、希望退職に応募した片岡さんはが映像制作会社を立ち上げるようにデキる人は、“他”でもやっていける。事実、今はYouTubeもあり、動画制作の仕事が増えている。それまでテレビをメインにしていた制作会社もどんどんネットでの動画制作に進出しています。ネットにおける動画コンテンツの制作は、質的にも量的にも人材難です。石橋貴明さんや江頭2:50さんのYouTubeチャンネルは、まさにプロのテレビマンが制作に関わっています。そのように“デキるテレビマン”は求められており、今回応募した人の中で、50代でもまだまだバリバリやりたいという人は、そちらに流れていくでしょうね」

「楽しくなければテレビじゃない」を掲げ一時代を築いたフジテレビだが、非常に楽しくない現状にある――。