恋人が撮影した写真集には…

「小学生のときからとにかく壱成が載っている雑誌は切り抜いていましたね。ネットがない時代なので、ファンクラブに入って情報を入手。会報誌には壱成直筆のメッセージもライブの情報も載っていましたから」

 壱成は可愛らしいクセ字で、なにやら星座やピラミッドについて書いている。雑誌のインタビュー記事では「三鷹に住んでたんですけど、まだ家よりは木が多くて。当時でいうヒッピーコミューンみたいなところで共同生活してたんですよ。『ミルキーウェイ』っていう名前だったんですけど(略)」と語っている。

ファンクラブの会報には、壱成直筆のメッセージが。クセ字もまた、ファンの心をくすぐった(Sさんの私物より)
ファンクラブの会報には、壱成直筆のメッセージが。クセ字もまた、ファンの心をくすぐった(Sさんの私物より)
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 そもそも枠にとらわれない、自由な育ち方をしたのだと想像させる文言でもある。一問一答コーナーには、「好きなタイプの女の子 メーテル」「不思議な体験 チャネリングでバッカスに会った」「許せないこと バーター」などと書いてあったりもして。天然なのか、何かの副作用なのか……。

 また、雑誌のインタビュー撮影中に何かを感じた壱成のために、スタッフは盛り塩を買いに走ったとの記述もある。記事の中で壱成は「昨年は久しぶりにひとつのキーワードが浮かんできた。山、山、マウンテンって。それで実は、とうとう浅間山で遭遇しちゃったんです。宇宙人に(!)」と話しているのだ。

 壱成が奇天烈というよりは、'90年代はそんな時代だったんだよなと。この手の話をする人に対して、世の中が寛容だった。ましてやスターだもの、ファンも大喜びである。
友人Sは青山や六本木のクラブにも足しげく通い、ライブ終わりの壱成と2ショット写真を撮ってもらったこともあるとか。バンドメンバーや関係者にデニーズに連れて行ってもらったこともあると話す。

「当時はゆるくて、ファンの子たちをよく青デニ(デニーズ南青山店)に連れて行ってくれたんですよ。さすがに壱成は来なかったけれど、壱成の情報とか嬉々として聞いてました。そういえば、ライブに行ったその日にバンドメンバーのひとりが逮捕されたんですよ! 帰宅後にニュースを聞いてびっくり(笑)」

 それでも壱成を応援する気持ちに変わりはなかったそう。たとえちょっとおかしな写真集を出したとしても……。