「團十郎」がどうあるべきか

 歌舞伎界からはおとがめなしでも、ファンの感じ方は違う。報道後に歌舞伎座を訪れた女性客に話を聞くと、“もうこりごり”という気持ちが伝わってきた。

「歌舞伎役者として、あまりに品がないですよね。襲名も控えているんだから、もっとやることあるでしょって。プペル歌舞伎も不評だったみたいだし、何がしたいのかわかりません」(50代女性)

 若いころは“やんちゃ”も大目に見てもらえたが、今の海老蔵は歌舞伎界を背負う立場になっている。

「独身だし、遊び方は自由だと思いますが、やっぱりお子さんがいらっしゃるじゃないですか。歌舞伎云々の前に、自分の行いを堀越勸玄くんと市川ぼたんちゃんが知ったときにどう思うのかを考えたら、あんなことはしないんじゃないですか?」(60代女性)

 海老蔵を長年取材してきた芸能レポーターの川内天子さんも、失望を隠さない。

「自分の欲望のままに複数の女性と遊ぶというのは相手への敬意が感じられませんよね。結婚する前にあちこちで遊んでいたことを考えれば変わっていないだけなのかもしれませんが、全然学ばない人なんだなと思ってしまいますね。よきパパぶりに好感を抱いていたファンは裏切られた気持ちではないでしょうか」

 しかも、海老蔵は“團十郎襲名”という歌舞伎界の大イベントを控える身だ。

「“海老蔵”ならよくても、“團十郎”がどうあるべきかは考えなければなりません。自覚がないって思われてしまうのは当然です」(川内さん)

 海老蔵の所属事務所に、小林麻耶の暴露動画について事実関係を問い合わせたが、

「ご家族間のことですので、コメントは差し控えさせていただきます」との回答だった。

 名門の跡継ぎとして育てられつつも、型破りで自由奔放な寵児ぶりが彼の魅力だったことは確か。しかし、ファンは品格と威厳を備えた團十郎を待ち望んでいるのだ。


伊井俊貴 精神科医。大学卒業後、精神科専門医・名古屋市立大学で研修。'18年にメンタルトレーニングができるアプリを開発する『メンタルコンパス株式会社』を起業し代表に

川内天子 芸能レポーター。20代からラジオのレポーターとして活動し、ワイドショーや情報番組で活躍。歌舞伎への造詣も深く、市川海老蔵が5歳のころから取材をしている