新メンバー2人への期待

「長寿シリーズは出演者同士の結束力が固まっていることもあり、新メンバーは現場になじむまでに苦労しがち。特に『特捜9』は『9係』で主演を務めた故・渡瀬恒彦さんイズムが浸透しているため、キャストだけでなくスタッフ同士の絆も強いですからね。『特捜9』になってから加入した山田裕貴さんも、初めのころは古参スタッフになかなか認めてもらえず、苦労したとか」(芸能プロ関係者)

 新メンバーがチームに入ってくることで、複雑な思いを抱えているキャストも。

卒業した津田さんと同じく『9係』時代から出演している吹越満さんと田口浩正さんの2人は、スタッフやキャストが次々と入れ替わっていく状況に困惑しているそうです。新しく加わることになった向井さんや深川さんに罪はないとはいえ、作品への思いが強いだけに、手放しで新メンバーを歓迎できないのでは。今はコロナ禍で交流する機会も減っているだけに、新メンバーの2人がキャストやスタッフの面々と打ち解けるには時間がかかるかもしれません」(同・芸能プロ関係者)

 コラムニストのペリー荻野さんは、新メンバーの2人にこう期待を寄せる。

「2人はアイドルグループでの活動経験があるので、先輩への接し方やチームで活動する際にバランスを取るのは慣れているはず。特に心配はないと思います。作品内でも新メンバーがすんなりなじんでしまうよりは、先輩たちとぶつかったりしながら成長したり、絆を深めていくほうがドラマにも深みが増すので、長寿シリーズのいいスパイスになってくれそうです」

 向井と深川が“内輪の壁”を突破し、特捜班の戦力になることに期待!


ペリー荻野 時代劇研究家、コラムニスト、ラジオパーソナリティー、放送作家。毎日新聞の『週刊テレビ評』を担当するほか、多くの雑誌やウェブメディアで活躍中