若い世代にも人気の“シン・平屋”

クレバリーホームの外観デザインの一例。三角屋根とルーフラインに沿った外壁が特徴的なシルエットを生み出す、おしゃれな平屋
【グラフ】右肩上がりで上昇!平屋住宅の戸数と全住宅に占める割合

 高齢者に好まれるイメージが強い平屋住宅だが、近年では若年層にも魅力的に捉えられているようだ。住宅メーカー・クレバリーホームの担当者は次のように語る。

「これまでは平屋といえばとにかく“大きい平屋”でした。2階建てに必要な延べ床面積をそのまま平屋にしていたためです。その場合、建築コストも通常の2階建てよりも高くなってしまいます。しかし近年は、小さくても効率のよい間取りが考えられるようになってきました。弊社では『Cleverly D'ess』というブランドで平屋住宅も手がけていますが、狭小プランの平屋が普及しはじめ、建築コストが低くなったことで若い世帯でも平屋を選ばれる方が増えています

 近年の働き方の変化も、若い世代の平屋回帰につながっていると櫻井さんは指摘する。

コロナ禍以降、リモートワークが普及したことで、郊外や地方で暮らすという選択肢も出てきました。広い土地が安く買える場所であれば、家族4人がのびのび暮らせる平屋を建てることもでき、実際にそういった新たな需要も生まれつつあります。また、10年ほど前までは素っ気ない平屋が多かった印象がありますが、近年は各住宅メーカーがいろいろな商品を出しています。デザイナーが手がけるおしゃれな建築も増え、平屋に対するイメージも刷新されているのではないでしょうか」

 ますます人気が高まる平屋住宅だが、2階建てやマンション住まいと比べ、デメリットももちろん考えられる。

「やはり平屋は土地面積の問題がありますね。日本では敷地面積に対してどれくらいの建築面積の建物をつくってよいかという、建ぺい率や容積率というものが決まっています。住み心地のよい平屋をつくるには当然ある程度の広さの土地は必要となるので、地価の高い都心部などで平屋を選ぶというのは、コスト的にもハードルが高いですね」

 また、シニアふたり向けのコンパクトな平屋は、不要になったときに中古として売りにくい可能性もある。

「より多くの人が求める家ほど高く売れるので、住み手が限られてしまうコンパクトな平屋はどうしても値段が下がってしまいます。同じ場所なら、やはり4人家族でも住める家のほうが当然売りやすいでしょうね。また、同じ1LDKの間取りだとしても、駅に近いマンションなどのほうが値は下がりにくく、需要は多いです。そういった資産価値という観点も考慮して住宅は選ぶべきだと思います

 自然災害が多い日本においては、防災面も重要だ。耐震性能においては平屋のほうが丈夫そうにも思えるが……。

「基本的には耐震基準をクリアした住宅しか建てられないため、平屋のほうが2階建てよりも耐震性能が高いとは言い切れません。また、河川の氾濫などの水害や津波の影響が考えられる土地では、上に逃げ場がないことは平屋の弱点ともいえるでしょう。一方で、平屋は台風や強風などには強く、地震の際も階段を使わずに逃げられるという点では安心感がありますね