目次
Page 1
ー アドリブ三昧のコミカルなやりとりが魅力
Page 2
ー 女房はたぶん、かなり変人だと思ってる
Page 3
ー 心のあったかい芝居が魅力だと思う

「じゃあ次は、おふたり同じポーズでお願いできますか?」

 撮影中、カメラマンからのリクエストに、

「さっき現場でやったの、こうだっけ?」

「これもやりましたよね」

 と頬づえをついたり、こめかみに指を当てたり。

 5月6日より放送開始の連続ドラマ『嫌われ監察官 音無一六』(テレビ東京系金曜夜8時~)で、顔も性格もまったく似ていない兄弟、音無一六(小日向文世)と万丈二六(遠藤憲一)を演じる2人の、和気あいあいな撮影中のひとコマだ。

アドリブ三昧のコミカルなやりとりが魅力

左から遠藤憲一、小日向文世(撮影/佐藤靖彦)
左から遠藤憲一、小日向文世(撮影/佐藤靖彦)

 これまでにスペシャルドラマが6作放映、大好評を受けて連続ドラマになった今作。音無一六は、警察官の職務や私生活に不正がないかを調べる監察官でありながら、捜査にも介入し難事件を解決していく。己の正義を貫きわが道を突き進む、頑固で几帳面な主人公だ。

 対する万丈二六はスペシャルの第5作から登場した、明るく陽気なタクシー運転手。あまりにも正反対で、毎回ゲスト出演者が「本当に兄弟!?」と驚くほどなのだが、実はちょっとしたところで同じ仕草が出る。それを冒頭で再現してもらったわけだ。

 連ドラ化についての感想を聞くと、小日向は

「スペシャルが6作まで行ったからそろそろ終わるのかなあと思っていたところだったので、びっくりしたんですよ」

 と笑い、遠藤は

「一六はセリフがものすごく多くて、しかも難しい単語もいっぱい出てくるので、小日向さんは毎回全部覚えるのが大変だろうなあと思ってます」

 そう、このドラマの特色のひとつが、事件解明の際の一六の膨大なセリフ量。

「大丈夫かなあ。ギリギリなんだから、ほんと」

 と、苦笑する小日向に

「ほんと、尊敬します。これだけ先輩が頑張ってるんだから、自分も愚痴なんて言ってられない、頑張らなきゃ!って、勇気をもらえますよ」

 と遠藤。「あの分量はギリ単発……」と続けると、小日向がすかさず「そうだよね!?」と返すやりとりが、なんだかとてもチャーミング。

 しかも小日向は、台本を一言一句きっちりそのまま言っているというから驚き!

遠藤「シーンとして成立しているのに、“すいません、今のところもう一回”と、語尾までしっかり台本どおりに言っていて。自分から大変なところに身を置いているのが、すっごいなあ!と思う」

小日向「僕、ちょっと癖があって。1個でも間違えるとわかるし、それが悔しくてね」

 その分、コメディータッチの2人の場面ではアドリブ三昧。

小日向「台本が“2人、わいわいやりつつ”みたいな感じで終わってるよね(笑)」

遠藤「緊迫したシーンが多いから、俺との場面では息抜いてほしいなと。小日向さん、アドリブをバンバン出してくるし(笑)」

 小日向いわく、「アドリブは、ちゃんと受けて返してくれるという前提がないと、成立しないもの」。この2人だからこそのコミカルなやりとりは、見逃し厳禁!