若くしてデビューする子もいれば、ジャニーズJr.として長年活動するも、なかなかCDデビューというチャンスに恵まれない子たちもいる。また20歳を超えた“高年齢”でデビューできた人たちも。

「元V6の坂本(昌行)さんが24歳でデビューしたこともよくネタにされていましたが、キスマイの北山(宏光)さんが2011年に25歳10か月デビューでそれを更新、翌年にはA.B.C-Zの五関晃一さんが26歳7か月でデビューしさらに記録を更新しました」(同前)

 ここ5年間でデビューしたグループを見てみると、King & Prince、SixTONES、Snow Man、なにわ男子の中では、ラウールが16歳という年齢でデビューしているが、キンプリもなにわ男子も最年少メンバーで19歳。Snow Manは五関の記録を更新する27歳デビューが3人存在する。

握手会で小学生のマリウスはフラフラだった

 なぜ近年は“高年齢”でのデビューが増えたのだろうか。前出の記者は、デビューの“渋滞”が起こったことで3つの要因を挙げて分析する。

「人気や実力のあるJr.でもCDデビューまでの時間がかかるようになった。デビューしなくても大規模なコンサートやイベントを成功させることができるようになった。さらに最晩年のジャニーさんは、CDデビューにこだわらなくてもいいのではないかという考え方をしていたということなどが、デビューが遅れるようになった原因にあげられるのではないでしょうか」

 かつてのように、経験値が少なくても低年齢でデビューできたはずだが、なかなかそうはいかない事情もある。マリウスが所属するSexy Zoneは、デビューシングル発売時に握手会を開催し、多くのファンが列をなしたことがある。前出の芸能ジャーナリストは言う。

「握手会は夜遅くまで続き、まだ小学生だったマリウスは終盤フラフラになっていたという証言がありました。松島くんも活動中に一時お休みを取りましたし、元Hey! Say! JUMPの森本くんもストーカー被害に悩まされていたといいます。

 低年齢デビューは心身にかかる負荷が大きいという判断がされるようになってきた。そして学業との両立も重視される時代の流れもあると思います」 

 リスクを負ってまで低年齢にこだわる必要はない、ということだ。さらにこんな理由も考えられるという。

「ジャニーズは30〜40代になっても若々しいので、親子で同じタレントを応援するファンも多い。フレッシュでギラギラする少年よりも、安心感のある大人のほうが応援しやすい流れはあるのではないでしょうか」

 とはいえ、ジャニーズ事務所は昨年1月「ジャニーズJr.22歳活動終了制度」を導入したと発表しているため、“高齢デビュー”もなくなる可能性が高い。

 ファンは年齢よりも、アイドル自体の魅力に惹きつけられている。事務所の先見の明に期待したい。 

〈取材・文/渋谷恭太郎〉