100歳以上の健康な長寿の人たちがたくさん住んでいる地域のことで、日本では沖縄が知られています。ほかに、イタリアのサルデーニャ島、コスタリカのニコヤ半島、ギリシャのイカリア島、アメリカのロサンゼルス近郊にあるローマリンダが知られています。

 アメリカ人研究者ダン・ビュイトナーが2004年から雑誌「ナショナル・ジオグラフィック」と長寿地域の調査をした結果、発見されたものです。そしてブルーゾーンを研究することで、人間が健康的に生物的な寿命(120歳)近くまで生きられるコツがわかるのではないかと、ジェロントロジーのなかでも重要視されています。

ブルーゾーン研究でわかったこと

 ブルーゾーン研究によってわかった知見は、大きく2つにわけることができます。

 1つめは、健康的な生活習慣を保つこと。とくに運動や食事の習慣がカギとなります。2つめは、こうした健康的な生活習慣を送るコミュニティの一員となること。互いによい刺激を受けたり、生きがいや目標を共有することで、健康的な生活習慣を送りやすくなるのではないかと考えられているのです。

 振り返ってみると、ブルーゾーン研究で注目されていることと、僕が自然に実践してきたことと、重なる部分が多くありました。そのうち、この記事では、運動についてご紹介します。

 運動は、短期間だけがんばっても、その後やめてしまっては意味がありません。ご自身の生活に、運動が習慣として定着するように工夫していきましょう。

■姿勢こそトレーニング

 いま、この文章を読んでいる瞬間、どのような姿勢でしょうか? 背中や肩が丸まっていませんか? もしかすると、寝転がっている方もいるかもしれませんね。

 姿勢を整えることは、一番手軽に始められるトレーニングです。

 本を読むとき、食事のとき、テレビを見ているときなど、ついつい「楽な姿勢」で長時間過ごしてしまう人は多いはず。そこで少し意識して背筋を伸ばすと、それだけで筋力の衰えを防ぐ効果があるのです。

 日本人はどうしても猫背になりがち。歩いているときは胸を張らずに肩を巻いてしまう人、首が前に斜めになって顎を突き出すようになってしまう人が多いようです。

 僕自身も、19歳頃までは巻き肩で、ダンサーの先輩から「お前、猫背だな」と注意されていました。それがコンプレックスで、絶対に猫背を直そうと、常に正しい姿勢を心がけるようになったのです。

 猫背の人は、次の手順で、姿勢を正してみてください。

(1)後ろから肩甲骨を押されるようなイメージで胸を張る

(2)下腹に力を入れる

(3)腰骨(腰椎)を上に引き伸ばす

 正直、最初はつらいです。ですが、この姿勢をキープしていると、次第に筋肉がつき、自然と正しい姿勢の癖がつきます。

■日々の動きを変える

日常生活の動きも大切です。日常生活をキビキビ動くように意識し続けると、キレのある動作になっていきます。布団から出るときもちょっとキビキビ動いてみてください。スッと起きて早足で動いてみるのです。体がキビキビ動くと、頭の回転まで速くなる気がしてきます。そんな姿は、誰からみても健康そのものに見えます。