'20年末、植草と同時期にジャニーズ事務所を退所。『少年隊』というグループ名は事務所に残ることになり、現在も“解散”はしていない。'25年には、デビュー40周年の節目を迎えるが─。

植草とはYouTubeで共演するなど前よりは会う回数が増えてきましたけど、あと1名(東山)に関してはずっと自宅も連絡先も当時から知らないので(笑)。まず、連絡先を入手するところから始めないといけませんね」

 独立後は、これまでの経験を活かして演出家としての活動に集中するようになった。

「今が人生で一番幸せ」

「役者として仕事をしているときは注目されませんでしたが、演出家として活動を始めたらドキュメンタリー番組のオファーが来たりしましたね。僕はタレントの顔も持っていますから、舞台の宣伝としてテレビやラジオに呼ばれたりします。でも、演出家として活動しているときのほうが、メディアに多く出させていただいているので、面白い現象だなって思っています」

 今後も、つかさん原作の『飛龍伝2022~愛と青春の国会前~』や、自身が脚本を手がけた『サラリーマンナイトフィーバー』の上演を控えるなど、舞台演出家として多忙な日々を送っている。

 ジャニーさんとつかさん、2人の教えを継承する気持ちを聞くと、

「完全な継承はできないと思っています。2人とも無趣味で、起きてから寝るまで芝居や舞台のことばかり考えていました。僕も芝居は好きですけど、休みの日はゴルフとか行くわけですから勝てっこないんですよ。ただ、2人と知り合って得た“かけら”が残って融合したものが、僕の演出のスタイルになるのかな。それをこれから楽しもうかなと思っていますね

錦織一清。立ち上がったり、身振り手振りを交えながら過去を振り返る錦織。その姿はまさに演出家
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 改めて舞台の魅力を聞くと“ごまかしが利かないこと”を挙げた。

「舞台はCGも使えないので、テレビや映画と違って素朴ですよね。僕の中では“これだけ練習したんだ”って、胸を張って言えるものをお見せしないと失礼じゃないかと思っていますから」

“いい芝居でお客さんを喜ばせる”ことに専念する日々。彼はそんな今が、人生で一番幸せだと語る。

「前からフリーランサーになりたかったんです。事務所に所属していると自分で仕事を決められませんから。人間、やりたくないこととの付き合い方を考えていけばいいんじゃないですかね。僕はやっぱり下町の江戸っ子気質なところがあるから、今になってそういう部分が出た気がします」

 2人の恩師に導かれ、アイドルから演出家と幅広いステージを駆け抜けてきた錦織。“人生”というステージはまだまだ続くようだ。