威嚇されうつ病を患った劇団の元女優も

 '20年の映画『ひとくず』が仲間内から称賛されたことで、慢心していったらしい。

津田寛治さんや赤井英和さんなどは、上西監督に心酔していて、よく作品に出演されています。でも、最近では撮影現場での悪行が知られるようになってきました。被害を受けた人だけでなく、上西監督のもとを離れる人が増えているんです」(Bさん)

『ひとくず』には、あの木下ほうかも出演していた。

「児童虐待を扱った映画なのですが、現場では監督自身が威圧的な行為をしていたわけです。女性への抑圧をテーマにした映画『蜜月』を撮った榊英雄監督が性加害を行っていたのと似ていますね」(前出・映画ライター)

 映画ではなく、上西の主宰する劇団の元女優・Cさんからも被害の証言があった。

「劇団に所属していた4年間、ワークショップや団費、舞台ノルマなどを支払っていました。生活が苦しくなり、劇団をやめたいと申し出たら、“うざい、芝居がヘタクソ”などと恫喝され、殴りかかるようなそぶりで威嚇されて……。このことが原因で、今はうつ病を患っています」

 母親の看病で休みを取ろうとしても許されなかった。

「急にエキストラの仕事を命じられ、母親の死に目に会えませんでした。そのときは交通費、宿泊費、食費がすべて自腹。ギャラは1日3000円ほどだったので、完全に赤字でしたね。映画の脇役での出演に、6万円を支払わされたことも。とにかくお金を吸い取ろうとするんです」(Cさん)

 小劇場ではキャストにチケットのノルマが課されることはあるが、上西は度を越していた。

「普通は20〜40枚程度ですが、彼は最大100枚のノルマを課すことも。ある舞台では、ワンシーンのみの出演だった俳優が50枚のノルマを課されて、上西監督に降板を願い出ました。すると監督は“ノルマの半分のお金を払うなら降ろしてやる”と迫り、その俳優は、泣く泣く約10万円の“降板料”を支払ったそうですよ」(舞台関係者のDさん)

 金に汚いだけでなく、事務所“乗っ取り”のトラブルも。

上西監督の事務所兼稽古場は、もともとほかの芸能プロダクションのものでしたが、“名前を変えない”“所属俳優の面倒を見る”という条件のもと、無料で譲り受けたんです。それなのに、しばらくすると断りもなく事務所の名前を変えて、ギャラも支払わないから俳優たちは相次いで退社。約束を守らない男なんですよ」(芸能プロ関係者)