節制(3)食事バランス 〜ムダを出さずにすべていただく〜

 戦中戦後の食べ物のない時代に育ったことから“食べ物は捨てたくない、ムダを出したくない”という思いが強い。

「野菜の皮は玉ねぎとジャガイモ以外はほとんどむきません。ムダも出ないし、手間も省ける。皮の栄養分もとれるので良い点ばかり」

 大根や野菜の切れっ端、キャベツの芯などがあったら、全部刻んでスープにする。たくさん作って冷蔵しておき、食べるときにカレー粉を入れたり、トマトを加えたりして味に変化をつけているそう。

キャベツはせん切りにして600Wのレンジで3分ほど加熱。飲み込みやすい状態にして冷蔵庫にストックしておくと、サラダや付け合わせに便利(写真/林ひろし)
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「捨てるものがないから、ゴミ捨ても一番小さな袋にちょっとで済んでいます」

 家計簿は独身時代からの習慣。お金を使ったらその日のうちに現金出納帳にメモをし、半月ごとに家計簿にまとめている。

「翌日になったら何を買ったか思い出せなくなるので、その日のうちに記帳します。これのおかげで“何に使ったかわからないのにお金が減っている”という漠然とした不安もありません」

 食費の目安は1日1000円。まとめ買いはあまりせず、必要なものだけその都度買うスタイルだ。

「食費は月3万円もあれば充分。ただ子どもたちが来たときは、外食などで奮発するので、もう少しかかります」

 食が細くなってきたことで栄養不足が気になり、始めたのが朝のスムージー。ミキサーに、プロテイン、牛乳、小松菜、ごま、おからパウダー、アマニ油などを入れて作る。これに加えてゆで卵1個、りんご半分が朝食メニュー。

「栄養満点なのでサプリメントいらず。タンパク質不足も気になっていましたが、これを飲んでいるから大丈夫と思えるように。あとの食事はいいかげんでも安心です」

 朝食を考える手間もなくし、ルーティン化することで栄養も、心の余裕も手に入れたそう。

スムージーに入れるもの。全部をミキサーに入れるだけなので、あっという間にできあがり。「どんな味?」とよく聞かれるそうだが、癖もなく毎日でも飽きない味だという(写真/林ひろし)

節制(4)趣味や娯楽 〜おひとり様時間を豊かに〜

 習い事は地域で開催しているワンコインで習えるものばかり。

「パナマ手芸のモラや、編み物、洋裁などいろいろ習いました。絵手紙は僭越ながら教える側に回っています。寂しい思いは誰にでもあると思うけど、好きなものを作っていると、1人でも充実した時間が過ごせるんです」

ミシンは得意ではなく、なんでも手縫い。捨てられない端切れを使ってコースターなどに。コロナ禍では、手ぬぐいやハンカチをリメイクしてマスクも手作りしたそう(写真/林ひろし)

 夜になると針仕事をして時間を過ごす。

「今よく作っているのはコースター。古い布を小さく切って刺し子の糸でちくちく縫うだけ。コンパクトなのですぐ完成して楽しいのです」

 コップや、花瓶の下に敷くとちょっといい雰囲気に。

「私の好きな野花と、素朴なコースターの雰囲気がぴったりなんですよ」

 ミステリー小説が好きでアガサ・クリスティはほとんど読んでしまったほど。

「習いごとの仲間に、やはり読書好きな方がいて、読み終わった文庫本を回してくれることも。ありがたく頂戴し、より好みせずに読ませてもらいます」

 それにより石田衣良など新たに好きな作家もできた。

「私も読み終わったらラジオ体操で一緒になる方に回して。本が循環しているのはうれしいことです。寝る前にベッドで本を読む時間は至福のひとときです」

 若いときからおしゃれは大好き。生前整理の中でも、服がいちばん減らせない。でも、今手元にあるのは本当にお気に入りのものばかり。

「以前からイッセイミヤケさんの服に憧れていて、ある日セールをやっていたので思いい切って、ズボンを買って帰ったんです。そのズボンだと何を合わせても決まる。大好きで、10年以上はきました。ひざがすり切れてしまい、泣く泣く手放しましたが」

 上質で気に入ったものを大事に何年も着る。これこそが、無理せずムダ遣いを防ぐ神髄だ。