V奪還を目指す阿部巨人。宮崎キャンプでは例年以上に熾烈なレギュラー争いが繰り広げられているが、裏を返せば、それは絶対的な存在が不在であることの証左でもある。盤石とは言い難い現状に、OBたちからも懸念の声が……。
谷繫氏は「パッとしない補強」と指摘
宮崎キャンプが佳境を迎える中、早くもファンの目は阪神、中日と続く開幕カードの先発ローテーションに向けられている。阿部慎之助監督が「先発ローテーション入りが決まっているのは山崎伊織だけ」と語っているとおり、現状は白紙の状態だが、2月16日には巨人OBの高橋尚成氏が自身のYouTubeチャンネルを更新し、今季の開幕ローテーションを大胆予想してみせた。
「高橋氏が推す先発ローテーションは、開幕投手は山崎で確定。左投手を効果的に使うことを考えて、2戦目に横川凱、3戦目にウィットリー、ハワード、マタの新外国人の誰か。2カード目の頭に戸郷翔征、次に竹丸和幸、そしてまた外国人のいずれかとの構想を披露しています。
また、かつてのヤクルトが行った変則的な運用を例に出し、『投げては抹消、投げては抹消を繰り返して中10日間空けて7~8人ぐらいでローテを回す可能性は十分ある』と指摘。そうなると則本昂大や田中将大といったベテランも使いやすくなるため、首脳陣にもこのプランがあるのではと推察していました」(YouTubeライター)
しかし、こうした「数」に頼る運用や熾烈なサバイバルに対し、現場を知る巨人OBたちの見方は冷ややかだ。2月14日公開のYouTubeで、岡崎郁氏と駒田徳広氏はチーム内の過酷な競争がもたらす弊害を憂慮している。
「駒田氏は『無理な競争をさせることで選手のモチベーションが下がる』と精神面への影響を懸念。岡崎氏も『本来は外の敵と戦うべきなのに、評価を下すベンチやチーム内の競争にエネルギーを使い、疲弊してしまうのではないか』と、戦う前の自滅に警鐘を鳴らしています」(スポーツ紙記者)
さらに、2月15日公開の『谷繁ベースボールチャンネル』では球界OBの谷繁元信氏が、今オフの巨人の補強について「パッとしない補強だったような気がする」と一蹴。数は多いものの、他球団を圧倒するような凄みが欠けているという印象を持っているようだ。
「試合に出るにはまずはチーム内の競争に打ち勝たなければいけないのがプロの世界とはいえ、駒田氏が危惧するように、今の巨人の競争のさせ方は少し危ういようにも映ります。球界を代表するような選手がいなくなった巨人において、新戦力の若手には先輩を食ってやるという気概はもちろんのこと、5勝や10勝ではなく、かつての上原浩治や菅野智之のように“突き抜けた結果”を期待したいところ。しかし、ライバルが多いあまり、今は皆が『脱落しないこと』に必死です。
キャンプを見る限り、ウィットリー、ハワード、マタの新外国人トリオはいずれもこの時期にして早くも150キロ超えを記録するなど評価を上げていますが、外国人選手には登録枠の問題があり、“投げ抹消”ではエースの自覚は育ちません。一方で、赤星優志、井上温大あたりがどこまで食い込んでくるのか。則本、田中らベテランが活躍できるかは未知数ですね」(スポーツ紙デスク)
ネット上でもこの不安な現状に対して、ファンからは「巨人の先発投手の課題は長いイニング投げれないし、安定感がないし、波が激しいこと。開幕阪神に3連勝してほしいけど、3連敗してまた同じことを繰り返すような気がする」「投げ抹消ローテーションなんて見たくない」「今のところ見ていると、戸郷は難しいんじゃないか」といった、現実を直視するコメントが並んでいる。
開幕カードでまずは昨年の覇者・阪神をねじ伏せて、世間や球界OBたちの「数は多いが小粒」のイメージを覆すことができるだろうか。






















