♪ギリギリでいつも生きていたいから♪

 大ヒットしたKAT-TUNのデビュー曲『Real Face』の歌い出しだ。

 今年2月に 覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕され、6月20日に名古屋地裁で懲役1年8か月、執行猶予3年の判決が言い渡された元メンバーの田中聖被告(36)。

田中聖、まさかの控訴

「これまで多くの芸能人がクスリ関係で逮捕され、判決を受けていますが、ほぼ一審で刑が確定しています。量刑も妥当、執行猶予も付きますから二審で争う理由がないからです。田中被告の弁護士も当初、一審判決を受け入れることを取材関係者にも漏らしていました」(スポーツ紙記者)

 ところが弁護士の目論見は狂った。執行猶予判決を受けたわずか9日後に、覚せい剤取締法違反で再び逮捕されてしまったからだ。

「一審判決が確定できなくなったわけです。確定してしまうと、執行猶予中に罪を犯したことになり、懲役1年8か月に、さらに同じ罪ですので、長い懲役が科せられる可能性もある。そこで田中側が取った戦略が、今回の控訴というわけです。一審判決の正本が送られた日の翌日、つまり6月21日から2週間以内ですから7月4日までに控訴しなければならない。田中被告側は7月4日付けで控訴した。まさにギリギリ、でした」(前出・スポーツ紙記者)

 控訴したことで、田中被告にはどんな見通し、メリットがあるのだろうか。

 司法担当記者が解説する。

田中被告側が言いたいのは『オレ、常習犯じゃないっすよ』ということです。クスリで2回逮捕されましたけど、常習性はありませんよ、ということを法廷で訴えるためには、1回目の逮捕と2回目の逮捕を、別々に裁いてもらう必要があるわけです。ちょっとややこしいですが。

 今後、控訴審が開かれますが、一審で事実関係はすべて認めている。よって量刑が不服という一点を訴えるだけですが、それをできるだけ長引かせることができればいい。そうすると2度目の逮捕も、前回の刑が確定していない、執行猶予も確定していないということですので、単体の事件として裁かないといけなくなる。ぶっちゃけ言えば、田中被告は現状、前科のない、推定無罪の状態なのです」

 2度目の逮捕の取り調べが現在、進んでいるが、「近日中に保釈されるでしょうね。逃走や証拠隠滅の恐れがなければ、留めておくことは難しいですからね」(前出・司法担当記者)

 本人の今後を考えれば、クスリを断ち切ってまっとうに更生させることが第一。一審判決を確定しないという今回の戦略が、田中被告の更生を邪魔することにならなければいいのだが。

〈取材・文/薮入うらら〉