公式ライバル、松島二郎さんとの思い出

 忘れてはいけないのが、公式ライバルとして登場した松島二郎さんの存在だ。コーナーの大きな盛り上がりのひとつが、江の島で行われた飯田さんと松島さんの初の練習試合だった。

「僕は結局負けたんですけども、オンエアされた次の日から、世間の人がものすごく哀れんでくるんです。試合形式のスパーリングなのに。世界戦に負けてもこんなふうになりませんよ(笑)」

 松島さんの当時の印象は?

「すごくおしゃれで、横浜出身の都会っ子という感じでした。仲はよかったんですが、田舎育ちの僕には『かなわないなあ』という思いのほうが強かったです(笑)」

 現在は治療院を営んでいる松島さんとは今でも時折連絡を取る仲だという飯田さん。番組に対しては今、どのように思っているのだろうか。

「嫌なことも多かったので……番組に感謝するまでには時間がかかりました。正直、引退した直後はボクシングには関わりたくないと考えていたぐらい。でも、やっぱり好きなんですね(笑)。世界チャンピオンになれたのも番組があったからこそだし、今の自分があるのも番組のおかげだと感謝しています」

 番組が生んだ世界王者は、ジム経営とともに、ビートたけしとの会話にも大いに影響されたという視覚能力を高める科学的トレーニング「ビジョントレーニング」の普及にも力を入れている。

飯田覚士さん
いいだ・さとし 1969年生まれ。元WBAスーパーフライ級王者。現在は子どもから大人まで通えるボクシング塾「ボックスファイ」を主宰。著書に『見る力も脳も10歳若返る!! ビジョントレーニング』(コスミックムック)、『人生を変える「見る力」』(マキノ出版)など。

そのほかにも……
元気が出るテレビ有名人
「あの人は、今!」


●三上大和
「平成口ゲンカ王決定戦」で青森弁が印象的だった高校生。父親は政治活動家として知られた故・羽柴誠三秀吉さん。現在は父が経営していた建設会社の代表取締役。

●演歌好き小学生の「篠原君」
 憧れの女性歌手のもとに駆け寄る際に坂から転げ落ちて爆笑をさらった。現在はテレビ東京の政治部官邸キャップで、選挙特番の際は池上彰のサポート役。

●川崎徹
 人気CMディレクターとして活動する傍ら、レギュラー陣の中でもユニークな存在だった。現在はおもに小説家として作品を発表している。

●元気美佐恵
 女子プロ予備校出身。リングネームは番組名から。全日本女子プロレスのオーディションに唯一合格した。2008年にプロレスを引退し、現在は居酒屋を経営している。

●オープニングテーマの歌手
 ノリのいいオープニングのテーマ曲を歌っていたのは、ジャズ歌手の奥土居美可さん。CMやアニソン歌手としても知られ「ペットフードはドギーマン!」なども彼女。

取材・文/高松孟晋