「高齢かまってちゃん」にはさまざまなタイプがあるが、ここでは代表的な4つのタイプについて平松先生に解説していただいた。

「おしゃべり型かまってちゃん」は、もともとおしゃべり好きで、ふだん話し相手が少ない人がなりやすいタイプ。感情や欲望を抑制する前頭葉の機能低下によることが原因。

「昔話で自慢型かまってちゃん」は、過去の記憶を美化して話すタイプ。過去の記憶は時間がたつほどに都合よく改変されるため、美化された昔話になりがちだ。

「SNSで自己顕示型かまってちゃん」は、社会的地位のある肩書を持っていた高齢者が、もはや必要とされなくなっても「見て見て」と自分をアピールする。

「心配されたがりかまってちゃん」は、病気や身体的老化などから役目を取り上げられ、もう必要とされていないという疎外感が原因だ。

 それぞれに対するあしらい方を知ると、苦手意識や迷いから抜け出し、ストレスなく高齢かまってちゃんに対処できる。

「すべての高齢者にいえるのは寂しいということです。行動範囲が狭くなり、社会や家族とのつながりが減る高齢者には役割を与えることが大切。そして『ありがとう』と声に出して感謝を伝えることも効果的です」

 また、いちばん注意すべきは“高齢かまってちゃん”の裏側に認知症などの病気が隠れているケースだ。

「例えば何度も何度も同じ話をしたり、突然怒り出したり、泣き出したりといった行為が認知症の初期症状のひとつである場合があります。

 単なる老化と認知症のもっとも違う点は、老化は何を食べたかは思い出せなくても食事をしたことは覚えているが、認知症は食事をしたこと自体を覚えていないということです」

 もし少しでも気になる点があれば、物忘れ外来などを受診してほしいと平松先生。

 ますます増えていく日本の高齢者。自分もいつか高齢者になるのだから、上手に付き合ってお互い楽しく日々を送れるようにしたいものだ。