「みんながおかしいと言うルールは変えなきゃいけない」

 JBCは前出のとおり“ルール”で入れ墨を禁止しているが、大嶋さんがプロになる際は、実はそのルールはなかった。

「事例がなかったから。入れ墨は俺が初めてで。事例が無かったからアタフタしたんじゃないの? コミッションに入れ墨を見せたときは“胸の部分を落とせば”って。たぶんそう言ったら諦めるだろうと思ったんだろうね。でも俺が消しちゃったもんだからダメと言えなくなっちゃったというね。俺の時代と今の時代は違うじゃん?

  こういう問題が今も起きている以上、それが話題になってる以上、変えなくちゃいけないよね。だってみんなおかしいって言ってんだから。(ルールを変更することが)難しいだのなんだじゃなくて、変えなきゃいけないよ

現在の大嶋宏成さん。引退後はオーナーとして居酒屋を経営。取材当日に10周年を迎えたというお店『いきや』の前にて。格好は尊敬するという『寅さん』。
現在の大嶋宏成さん。引退後はオーナーとして居酒屋を経営。取材当日に10周年を迎えたというお店『いきや』の前にて。格好は尊敬するという『寅さん』。
【写真】暴力団の元構成員だった大嶋さん、入れ墨を消して試合に出る姿が痛々しくも勇ましい

 ちなみに、“元祖”はニエテスの入れ墨について……。

「テレビで見てたけど、(相手に入れ墨が入ってたことは)俺気づかなかったんだ(笑)。(入れ墨がどうとか)そういう目で見てなかったから」

 新たな入れ墨ボクサーがリングに上がる日はいつかくるか。